2023年06月02日
21ジリオンと17スティーズAの違い

色々あって知り合いのT氏より21ジリオンをお預かりしたので、メンテナンスも含めて17スティーズAとの比較をしたいと思います。
なお昨今大人気のチニング用ベイトリール「シルバーウルフ」も21ジリオンの亜種なので、基本構造などはほぼ一緒です。

まずはボディ外観、主にブレーキ側。
16ジリオンと比べるとかなりスリムになって、パーミング感はスティーズに近づきました。
それでもまだまだ17スティーズAの方が持ちやすい。
ブレーキダイヤルの位置が21ジリオンは下、17スティーズAは上にあり、この差で17スティーズAは画像の赤いラインから右側が段差のような凹みで削り込んでいて、パーミングしたときに気持ち良くフィットします。
21ジリオンはここがちょっと膨らんでいて、パーミング時に人差し指付け根が押し出される感じが出てしまう。
またブレーキ側ボディのロックが21ジリオンも17スティーズAのようなツメ方式になりました。
17スティーズAはツメが2つあって開けやすいのに対し、21ジリオンは18ジリオンHD同様ツメ1つで、結構固くて開けづらいです。

ハンドルのロック方式も変更されました。
17スティーズAまではボルト+アルミプレートでの固定だったのに対し、21ジリオンからはキャップナット+樹脂パーツに変更。
21ジリオン方式の方が加工工程が減っている事や、樹脂パーツに置き換わったのでコストダウンしたと思われます。

21ジリオンの方がもっこり膨らんでしまうので、ちょっと野暮ったい印象は拭えません。
ただ着脱は21ジリオンのキャップナット方式の方がやりやすいです。

かなり細かい変更点ですが、レベルワインダーの固定方法が21ジリオンから変わりました。
17スティーズAまではキャップで固定されていましたが、21ジリオンはOリングとピンでの固定となっています。
外しやすさは17スティーズAのキャップ方式ですが、21ジリオンのOリング+ピン方式は振動などで緩んで外れてしまう心配がなく、とてもスッキリしています。


ドライブギア側ボディのネジ止めは、17スティーズAが外側からのネジ止めだったのに対し、21ジリオンは内側(スプール側)からのネジ止めになっています。
デザイン的には内側からのネジ止めの方が見えないのでスッキリしてカッコイイのは間違いありませんが、メンテナンス性は外側からのネジ止めの方が良いです。
17スティーズAは10秒あれば外せましたが、21ジリオンは20秒以上かかっちゃうかなー程度の差ですが、私のようにソルト使用で釣行後毎回ドライブギア側フタを外す場合、極力簡単に外したい。

内部構造は基本的に17スティーズAと大きな差はありません。
回転も軽く、非常に良く出来ています。

ベアリングはピニオンギアを支える2つのベアリングが防錆効果があるタイプで、それ以外は通常タイプです。
21ジリオンにはマグシールドボールベアリングは入っていません。
そのため海水使用では錆びやすいので、海水使用メインならメンテナンスを頻繁に行うか、21ジリオン亜種のシルバーウルフの方が良いでしょう。


21ジリオンから17スティーズA方式のドラグクリッカーが入ったので、ドラグが出ると音が鳴ります。
17スティーズAはドラグディスクと軸にOリングが入っているため防水性能が高く、ドラグ内部に水が入る事を極限まで減らせますが、21ジリオンにはこの機構がありません。
なのでドラグワッシャーは定期的なメンテナンスが必要となります。
ここは21ジリオンと17スティーズAの内部設計で一番の違いとなり、さすがスティーズと言ったところ。

あと21ジリオン以降最大の変更点として、スプールのブレーキ方式がSVからSVブースト(ダイワ公式サイト)になりました。
SVブーストは解説すると長いので次回に!
16ジリオン->18ジリオンHD(φ34mm)->21ジリオンと順当にパワーアップしています。
「もうコレでよくね?」って状態まで来ているので、スティーズにこだわりがないのであれば、21ジリオンで良いと思います。
巻きが軽くてびっくりですよ。
海での使用がメインなら、21ジリオン亜種のシルバーウルフのが良いです。

そうそう、2023年6月1日からダイワ製品で修理扱いでしか注文というか交換してくれなかった、リールのギアやボディが単品注文出来るようになりました!
順次ということで、まだ一部の機種は修理扱いになっていますが、たぶん全ての製品対応してくれるかと思います。
ちょろっと見たところだと17スティーズAや21ジリオンのギアは注文可能ですが、シルバーウルフは現時点ではまだ修理扱いになっています。
ロッドのAGSガイドなんかも単品注文出来るようになったみたいなので、シマノのロッドにAGSガイド付けちゃうとかも可能かと思われます。
ただマグシールド関連はダメっぽく、単品注文出来ません。
マグシールド(磁性流体オイル)はティッシュとかで簡単に吸い取れちゃうので、ダイワが考えている性能を出すには修理扱いじゃないと難しいということなのかも。
あとは磁性流体オイル自体がかなり高価なので、マグシールドボールベアリングの方はまだしも、液単体だと高くなっちゃうし、適量塗布というのが難しいとの判断なのかもしれません。
しかし長年ダイワサポートの最大の懸念材料だったギア、ボディ、ベールなどが単品注文出来ない問題が解消に向けて動き始めたというのは、私にとってはとんでもなく大きな出来事です。
近年のスピニングのギアはそこまで簡単にやられるレベルではなくなりましたが、ベイトのギアは構造的にどうにもならんので「ダイワはギア買えないしなぁ、修理高くついちゃうし…」が解決!
「やっとかよー」とも言えますが、長年待望していた身としては「よくやった!」と声を大にして言いたい。
Posted by さ at 2023年06月02日│Comments(0)
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