2021年05月31日
自作外付けエイガード その1
ウェーディングは危険がいっぱいの釣り。
私が通っている場所の最大の敵はアカエイ。
尾っぽの付け根に鋭い毒針を持っており、踏みつけてしまった際に刺される可能性がある(踏まなければ大丈夫)。
様々な対策があり、ウェーディングステッキを作ってみたり、アクティブエイガードの電気の力でバリアしてみたり、ケブラー繊維の切創フッドカバーをインナーに改造して装着してみたり、つま先だけは守りたいと安全靴の鉄板を入れてみたり…中でも10年以上前に自作外付けエイガードを作った事がありまして、完璧とは言えないもののほどほどの安心感がありました。
ウェーダーの買い替えと一緒に破棄してしまったんですが、3DプリンターやCNCの力を使って、なんとかすごいものを作れないものかという考えの元、久しぶりに製作に着手。
数年前から色々なパターンを考えていましたが、どれも一長一短でしっくり来なかった。
原点に戻り、外付けエイガード方式にしてみます。
毎度のFusion360を使ってモデリング。
全てを3Dプリンターで作るのはAdventurer3のワークサイズでは難しいので、アナログ加工では難しい先端のパーツを3Dプリンターで作る事にします。
10年以上前に作った外付けエイガードはこの先端パーツがアナログでは厳しい!と諦めたので、個人でもこういうのが比較的簡単に作れる時代になったんだなぁーと技術の進歩を実感します。
その他のパーツはダイソーのPP板 厚1mmで構築することに。
錐とかで思いっきりぶっ刺しても簡単に穴は開きません。
これをバックルとアクリルテープで止めます。
この素材をどうするか相当悩みました。
ケブラーラインで靴紐を縫うように靴底を這わせる事も考えたんですが、カキ殻の上を歩くときに引っ掛ける率が上がってしまうと考え、若干太めのアクリルテープにしました。
幅は15mmを採用。
ただ15mm幅は一般的ではなく、ましてバックル自体に長さ調整が行えるものがaliexpressでもほとんど売っていない。
さらに15mmのアクリルテープもほとんど売っておらず、セリアで発見したので購入。
20~25mmが一般的で種類豊富なんですが、外付けエイガードに使用するにはちょっと大きく太いんですよねー。
写真を取り忘れていましたが、このPP板の構築にはコピー用紙をのっぽさんのように「でっきるっかな!」とカットして型紙を作っています。
これをスキャナーで読み取って、CADでトレースからCNCで切削。
PP板はハサミでもカット出来るので、CADやCNC使わず手でも十分作れます。
足の甲の部分は湾曲して難しいので、ここも3Dプリンターで出力。
写真のはちょっと大きすぎたのでボツ。
調整して出力し直したのがこちら。
足の甲のパーツにしては中央部分がイビツですが、内側にバックルが来るのでスペースを確保するためにこんな形になっています。
先端の調整も済んだのでPETGフィラメントで出力。
PP板は難接着材なので、こんな風に穴位置を合わせてネジを通して…。
PE1.5号で何重かに縫って固定します。
本当はもっとシンプルにしたかったんですが、アレコレ考えるとどうしてもややっこしい事に…。
先端はケブラーラインで靴底と固定しています。
そのケブラーラインを上でネジとかを使って固定。
足首から上のパーツも組み上がりました。
PP板の固定は基本的にバックル止め。
PP板に予め穴を開けておき、その穴を使ってアクリルテープをPE1.5号で縫い止め。
また足の内側にバックルを配置すると足同士がぶつかった際に引っ張られたりする可能性があるので、基本的に外側に配置しています。
内側は割とシンプル?
ここまで止める必要はないかもですが、ズレ防止を最大限考えるとどうしてもね。
とりあえず片足は完成したのであとは実際のテストです。
実際に装着して使ってみると、色々な事がわかってきます。
まず普通に歩くとき、スネが自作外付けエイガードの上の方に当たるので、特に階段の上り下りなんかはちょこっと気になる。
でもそこまで長く設計されていない&若干の隙間があるため、ほんのちょこっと気になる程度で大きな問題はないかなー。
次にアクティブエイガードの端子を先端ケブラーラインの固定ネジと一緒に固定していたんですが、引っ張られてネジが消え去った(ノ∀`)
ネジ穴がそんな強く&長く作られていないのもあって、アクティブエイガードを併用するなら別の固定方法を考えないとアカンかった。
水の抵抗は若干増す程度で、それほど気にならないレベル。
ただ上のパーツとブーツ部分に隙間があるため、巻き上げられた貝殻などがブーツとの隙間に入ってしまう。
ネットとか布とかで隙間埋めないとダメかもー。
バックルの強度は問題がなさそう。
バックルを止めているアクリルテープは消耗品と割り切っているが、1回の使用で底の折れ曲がっている部分にそれなりのダメージを確認。
1年持つかなぁーってところ。
ケブラーラインにして簡素化しても良いかも。
その他は今の所大きな問題は出ていないので、もうちょこっと改良した逆側の足の製作においおい入ろう。