2025年04月07日
ガチ自作トップチニング用ロッド その4 完成

前回までの
2025/01/27
2025/02/15
2025/03/17
引き続き、ガチトップチニング専用ロッド作りです。
今回はロッドの完成まで持っていきます。

まずはガイドを固定するためのスレッド巻き巻き…なんですが、おっさんになると老眼で細かすぎて見えない!
ジェネリックハズキルーペ(拡大鏡)を使って巻き巻き…とても目が疲れます。
おまけにスレッド巻きが久々すぎて、レベル1からやり直しって感じでムズい。
今回はaliexpressで買ったダークグレーのスレッドを使っていますが、わずかに緑掛かっているのもあり、どう見ても海苔カラーです。

ティップ部の末端は保護も兼ねてスレッドを巻いていますが、そのままではフィニッシングモーターで掴めません。
なので、印籠芯が必要となります。
マグナムクラフトのLG2-6820は最初から2ピース化されていて、印籠芯も接着されている状態なので、別で用意する必要があります。
こういう治具は3Dプリンターがあるとサクッと作れて大変便利。
エポキシでコーティング。ぐるぐる pic.twitter.com/Xzf9bMpWOF
— さ (@DIY_seabass_SA) March 17, 2025
ぐるぐるぐるぐる…。
エポキシは東邦産業エポキシ(アマゾンリンク)を使っています。
自作フィニッシングモーター使い勝手とても良い。

コーティング出来ました。
今回のガイドは譲り受けた初代シルベラードのティップ部が2本あり(ソリッドティップ化+先端折れ補修)、ソリッドティップ化した方は使用機会がほとんどなくなっていたので、こちらのガイドを引っ剥がして使いました。
なので、チタントルザイトのトップ4mm径かな?
バットガイドは6.8ft(実測6.5ft)なので、1個で良いだろう。とT-RVTG6(アマゾンリンク)をチョイス。
ガイド位置はフジのTACKLE PLUS+(公式リンク)のカタログを参考にセッティングしています。
釣具屋などに本という形で無料配布されているので、ロッドビルディングやってみたい!って方は、このカタログをゲットするとやる気が湧きます。
基本的なことが全部書かれているので、この本があれば沼にハマること間違いなし。おのれフジめ。

私は「開かないスナップ」を使ってルアーフィッシングをしているので、市販のフックキーパーではスナップがホールド出来ない。
なのでオリジナルフック&スナップキーパーを自作して使っているんですが、今回は新しい方式でやってみよう。と3Dプリンター使って作ってみました。
ホールドする際にロッドに傷がつかないようにオリジナルステッカーも。

3Dプリンター版でも機能は問題なく使えていたわけですが、ヤスリ掛けなどしても積層痕を消すにはアレコレやらないとダメでして…。
デザインや外見はあんまり気にしない方ですが、せっかくガチロッドをがんばって作ったのに最後がコレじゃぁなぁ!というわけで、どの誤家庭にもあるCNCでアルミ削り出し。

うむ。自己満足。

さて、実際の使い勝手なのですが…。
リールシート直上のバット径が9mm程度で、初代シルベラード762MLの10.4mm程度と比べてもだいぶ細い。
そのためキャスト時のバットで溜めての射出感が結構頼りない。
マグナムクラフトLG2-6820はmax20gまでのスペック表記ですが、「いやいや、さすがに盛りすぎだろー。投げられるけどイイトコ15gまでじゃね?」って感じがします。
私はベイトでもバットに溜めて振り切るので、この溜めが感覚的に半減したみたいな感じのキャストフィーリングです。
でも35t+40tの割と高弾性に近いカーボンを使っているようなので、だるんだるんな感じは全くなく、シャープな振り抜けと収束です。
飛距離は長さがシルベラード換算6.8ftくらい(実測6.5ft)なので、結構短いというのもありますが、初代シルベラード762MLと比べると落ちます。
これは10gくらいまでのトップルアーでも感じられます。
ただ実測66gという超軽量で短くなった分、取り回しが良く、アクションの楽さは桁違い。
まさにトップチニング専用ロッド。
その他では、地味ですがこだわったリールシートからロッドエンドまでの長さやEVA形状などは想定通りで大満足。
特に初代シルベラード762MLのリールシート直下のEVAは、ほぼ単純なテーパ形状で、手の小指球(手のひら小指側のロッドが当たる部分)が固定されずに滑りやすいんですが、自作ロッドはココにわずかな瀬を作っているため、アクション掛けたときのホールド感が桁違い。
余計な握力を使わずに済むのもあり、疲労感は大幅軽減。
初代シルベラード762MLのEVAも作り直したいくらいの差です。

まだシーズンインにはだいぶ早いですが、なんとかトップで1匹出せたのでファイト感も。
初代シルベラード762MLと比べると、ビビるくらい曲がります。
最初なのもあってちょっと焦りました。
またバットが細くて軽いということはパワーもだいぶ低いです。
個人的には初代シルベラード762MLはキャストフィーリングと感度に全振りで「ファイトを楽しむロッドではない」と思っています。
そのため、ファイトを楽しむならマグナムクラフトLG2-6820のこのロッドの方が桁違いに面白いです。
個人的に曲がるロッドが好きなので「パワーがない」と同じくらい、「そうそう、これくらい曲がって楽しませて欲しいんだよー」となりました。

トップチニング専用ロッドで常にアクションし続ける反復動作から、反復の単語である Iteration がロッド名です。
今回ガチでロッドビルディングしてみましたが、ルアー作り同様、最初から最後まで作ってみると、その分野の自分の中での解像度がものすごく上がったのを実感します。
考えば考えるほど「あーなるほどなー」と腑に落ちる部分が見えてきて実に楽しいDIYでした。
もう欲しいロッドはそんなにないのに、無駄に作りたくなっちゃいます。
ロッドビルディングに関しては、国内でもパーツが揃っていますし、aliexpressなど海外通販を利用して安く揃えることも出来ます。
興味がある方は是非チャレンジしてみて欲しいです。
楽しいゾ~(悪魔の囁き)