2023年04月26日
ベイトリール自作ドラグクリッカーver.2
以前、ダイワのベイトリール18ジリオンHD亜種のHRFソニックスピードに自作ドラグクリッカーを追加したものの実釣すると音が小さい。
ドラグクリッカーがドラグ性能に影響を及ぼさないよう弱い板バネを入れたため、クリッカーギアを弾く音が小さくなってしまったのが原因と思われる。
ドラグクリッカーの方式を変更し、再度作ってみることに。
と、思ったのが去年2022年12月。
Fusion360で3DCADデータやCNCで削るためのCAMデータを組み、いざ出力というところでCNCのコントロール基板から煙が!
使用しているCNC3020付属のコントロール基板が全く使えなかったため、電源、基板を別途購入、ボックスを自作し、配線を組んでプローブなどを追加した経緯から、パーツを交換すれば直る。
1.容量小さい電源を注文
->起動しない
2.容量大きい電源を注文
->起動しない->壊れてるのコントロール基板だった
3.アママケプレで3軸基板注文
->4軸が届く->返金&4軸破棄して
4.アママケプレ違う店で3軸基板再注文
->また4軸が届く->返金&4軸破棄して
5.Aliexpressで3軸基板再々注文
->無事3軸納品&交換起動&動作確認
壊れてから復活するまで4ヶ月ちょっと経過、もちろんその間CNC作業ストップ。
よく見たら交換前のコントロール基板はX軸関連のチップが焼け焦げていた。
最初からしっかり確かめておけば、時間を無駄にせずに…。
紆余曲折あったものの作業再開。
新型クリッカーギアに変更するには、ドライブギアに接着固定した旧型クリッカーギアを取り外す必要がある。
エポキシ接着剤で接着しているので、ヒートガンで熱して取り外し。
3DCADのFusion360での設計は割と追い込んでピーキー寄り。
4ヶ月ぶりくらいに復活したCNCでいきなりピーキー寄りの切削物。
両面切削はズレを防止するために捨て板治具が必要になり、事前準備含めてとても面倒。
クリッカーギアの裏面に段差を作り、ドライブギアのドラグワッシャー位置を固定する段差と合わせる。
接着固定する際に接地面積が増えて固定力アップ。
ドライブギアに自作クリッカーギアが乗る形。
軽くバフを掛けてバリを取る。
ドラグ音の方式はスティーズAと同様の方式。
ドラグディスクに横穴を開け、バネとピンを入れて…。
バネでピンを押し出し、クリッカーギアにピンを当てる事によって音を出す。
なおこのピンは直径が1.7mm程と小さく、旋盤を持っていないので作るのが大変。
クリッカーギアをエポキシで接着固定し組み込み。
ドラグディスクに差し込んだピンが、クリッカーギアに当たっているのが見て取れる。
ドラグが出る際はドライブギア(クリッカーギア)が時計回りに回転するため、クリッカーギアの歯はピンが引っかからずに滑っていく形状にしている。
スティーズAのドラグ音との比較動画。スティーズAのドラグ音と比較 pic.twitter.com/8yOJeJHaV1
— さ (@DIY_seabass_SA) April 26, 2023
動画では分かりづらいが、実際は今回作ったHRFソニックスピードのドラグ音の方が金属的な音がする。
スピニングのドラグ音に近いのが自作ドラグクリッカーver.2を追加したHRFソニックスピードで、クリック単音のボリュームもHRFソニックスピードの方が少しだけ大きい。
スティーズAの方はクリッカーギアがたぶん樹脂のため、実際の音はちょっと低く聞こえる。
ただクリッカーギアの歯数はスティーズAの方が多いため、より細かく連続してドラグ音が鳴る。
トータルとしてはどっちもさほど変わらない音量だが、HRFソニックスピードの方がボディが大きく空間があって響くため、単音自体は大きく聞こえる。
かなり良い感じになったので改良成功と言える。
私の製作環境でこれ以上を望むのは「技術的には可能です」というレベルに片足を突っ込む。
CNC復帰第一弾としては重たい製作物だったが、満足行く結果で良かった。