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2022年04月09日

中華SVスプール


知り合いのT氏より中華SVスプールの動きが渋いから見てよー、1個あげるからーと依頼され、アレコレ研究してみました。





SVスプールはダイワのベイトリールで比較的軽量のルアー(15g以下くらいまでかなぁー)を得意としたブレーキシステムのスプール。
現在はSVをさらに進化させたSVブースト(ダイワ公式リンク)になっていますが、今回は旧世代のSVです。

ベイトキャスティングで一番の問題はバックラッシュ。
スピニングはルアーがラインを引っ張って飛んでいきますが、ベイトはルアーがラインを引っ張るのと同時に、スプールが勝手に回転してラインを放出します。
この際、ルアーが引っ張るラインより多くスプールが回ってしまうとスプール周辺に糸ふけが発生し、この糸ふけが放出されてるラインを追い越してしまうとバックラッシュが発生します。
この回転と放出が良い感じに決まると、ルアーがラインを引っ張るときに掛かるスプールの抵抗が限りなくゼロに近くなるため、スピニングより飛ばすことが出来たりもします。

SVスプールを簡単に説明します。
キャストするとスプールが回転してラインを放出します。
回転することで発生する遠心力により、バネで動くインダクトローターが飛び出します(画像のインダクトローターが右へ移動したとき)。
飛び出した幅分、リールフタ側のマグネットブレーキの磁界に定位置より深く入ることでより強くブレーキがかかります。
スプールの回転数(遠心力)が下がると、バネによりインダクトローターは定位置に戻り、ブレーキが通常設定に戻ります(画像のインダクトローターが左へ移動したとき)。

キャスト時に起きるバックラッシュは大きく分けて3つ。
キャスト直後、ルアーが飛んでる最中、着水時。
SVスプールは上記の通り、スプール高回転時の遠心力でインダクトローターが飛び出して普段より強くブレーキを掛けるシステムのため、キャスト直後のバックラッシュを防ぎやすい。
例えるなら100%ならバックラッシュしないけど120%になるとバックラッシュしちゃう。みたいなブレーキセッティング時、SVだとこの20%分をインダクトローターが飛び出してマグネットブレーキの磁界に深く入ることによってブレーキを100%状態より強く掛けて抑え、バックラッシュを防いでくれる。
バネでインダクトローターは戻るので、オーバーした分だけブレーキをかけて、あとは通常通りのブレーキ設定で回転して飛んでいく。

なお、スティーズAなどのマグフォースZにもこのインダクトローターが飛び出す機構は入っていますが、SVはバネがかなり弱いセッティングのため、マグフォースZより回転数が低くてもインダクトローターが飛び出してブレーキをかけます。
またSVスプールはマグフォースZに比べ、小径のベアリングに「ガワ」を被せて大きな径にしています。
ベアリングは小径の方が周りやすい(慣性力は下がりますが)。
この辺がSVは比較的軽いルアー用と言われる所以。

このようにスプールに移動するインダクトローターを搭載し、バックラしちゃいそうなところだけ良い感じにブレーキを掛け、あとは普通に回ってくれるのがSVスプールという感じです。
ブレーキセッティングが間違っていたり、使うルアーによっては意味なかったりもしますが、簡単お手軽なのがSVスプールの良さです。





で、託された中華SVですが、2種類あり、どちらも超浅溝スプール。
高品質な紫、低品質な金、黒、紫があり、高品質な方はダイワオフィシャルのSVスプールに迫る精度な感じです。
細かいところはダイワオフィシャルSVには及ばないので、この辺はさすがダイワかなー。
あと初期SVスプールをパクっているため、インダクトローター底のスプールホルダーカラーの固定に補強がされておらず、こいつがちょこっとグラグラ動いちゃう。
劣化していくとインダクトローターが飛び出したまま戻ってこないなどの原因になる事もあるみたい。





問題は低品質な中華SVで、個体差がかなりある。
まず問題なのが軸の埋め込み幅に個体差があり、インダクトローターの飛び出る幅が変わるし、メカニカルブレーキのセッティングも変わってしまう。





次にインダクトローターを支えるスプール本体側の軸の加工仕上げ。
こいつは高品質版中華SVと違い、旋盤加工の切削痕が残りっぱなし。
仕上げ切削やバフ掛けなどやっていないため、誇張すると画像のようなミクロな段差がある。
インダクトローターを指で摘んで引っ張ると、普通は「スルスル」と動くのに、こいつは「ジョリジョリ」という感覚が指に伝わる。
これでは動きが悪い。





軸の精度が悪いからインダクトローターもグラグラ動くし、軸の固定位置に個体差があるからインダクトローターの飛び出す幅や回転の安定性にも問題があるし…で困ったちゃん。
でも軸は強力にスプールに圧入されてる感じで動かすことは出来ないし…なので、せめてインダクトローターがスルスル動くように。と軸をヤスリ&液体コンパウンドで磨き、スルスルと動くように加工。





値段で品質が変わるってのはよくありますが、ここまで比例して「値段なり」ってのは久々ですよ。
ダイワは高いだけあって、すんげー良い作り。
中華のお高めなのは十分コスパ良い。がんばってる。
中華の安いのは、まぁそうだよね。って出来でした(;´∀`)





そうそう、ベイトリールと言えば、スプールの回転でキャストフィーリングが変わります。
キャスティングのポイントがそろそろ消滅するぞ!とメールが来ていたので、何か使わなきゃ!とダイワのベイトスプールBB用オイルを買ってみました。
これ今まで使ったオイルの中でダントツで軽く、スプールのベアリングの回転具合がめちゃくちゃ上がる。
ベイトリール使ってる方にオススメ。