自作レジンキャストルアー

2024年08月20日 20:18


私の今までの自作ルアーは

 1.バルサを削って作る昔ながらのハンドメイドルアー
 2.CNCを使って木材(主に桐)から削り出す自作ルアー
 3.3Dプリンター製の自作ルアー

1のハンドメイドルアーはもう10年以上作っておらず、ほとんどが2のCNCを使った自作ルアー。
ここ3年くらい?は3の3Dプリンターを使ったルアーがお手軽なのと、ウッド素材だとチヌ族に破壊される事が多いので3Dプリンター製ルアーを作る機会が多い感じです。
ただどれもルアーボディを作るのに結構時間がかかります。
別に量産して売るわけではないのでそれほど気にしなかったんですが、過去に1度だけやった事があるシリコン型&レジンキャストでのちょっとした量産が可能なやつを再チャレンジしてみようとなりました。





今回はガチでやるぜ!って事で、普通のやり方ではなく、市販ルアーに近いレベルを目指します。
まずはマスタールアーの製作ということで、CNCでアクリルからマスターを削り出します。
………。
アクリル溶けて失敗しとるがな!ヽ(`Д´#)ノ
簡易空冷クーラント使ってたものの、どうもエンドミルの回転数が早かった模様。
久々のアクリル切削…やっぱこの素材ムズいんだよなぁ…。





素材を変えてみます。
ルアーに使う予定のウェーブ レジンキャストEx(アマゾンリンク)をマスター削り出し用の素材として使ってみます。
固まるのが思いの外早かったり、収縮がかなり強かったりで、何度か失敗しましたがなんとか素材のブロックになりました。





切削性は大変良好。
ただ独特の匂いがあります。





マスターが出来ました。
湯口も1つだけ付けましたが、これは流れづらそうなところ用で、メインの経路は後付で別です。





シリコン型を作ります。
下に粘土を敷いて、お決まりの準備を行ってシリコンを流し込みます。





aliexpressでめちゃくちゃな割引率で送料込み220円で買った真空保管容器で真空脱泡引き。
しかしこの方法ではかなり失敗が起きました。

1.ダイソーの油粘土の色がシリコンとほぼ同色で、シリコンが固まったあとにシリコンか粘土か判別が付きづらい。
2.真空脱泡がそこそこ強く、ルアー内部の空気が粘土との僅かな隙間から漏れ、ルアー内側にちょっとシリコンが流れ込んでしまった。
3.流し込みメイン経路は3Dプリンターで作ったがちょっと斜めったり浮いたりで結果がよろしくなかった。

などなど。





3回ほど納得行かずでやり直した結果、底板をアクリルにして、流し込みメイン経路をCNC削り出し、ルアー内部を粘土で埋めて空気を極力なくし、シリコン型同士の合わせ用凹凸は3Dプリンターで作りました。





それらを両面テープでアクリル底板に貼り付けてシリコン流し込み。





シリコン同士がくっついちゃう失敗もあり、先人の知恵を頼り、シリコン同士の剥離剤にリンレイ 油性ワックス(アマゾンリンク)を使ったところキレイに剥がせました。





シリコン型が出来たぞぉぉぉ!





クリアーカラーのボディが作りたい!ということで、アートクリアーエポキシレジン(アマゾンリンク)を使って流し込んでみました。
真空脱泡機で真空引き。








一部欠けはあるものの、比較的良好な感じ。
ただシリコン型のクランプが弱くて、下から流し込んだエポキシがダラダラ漏れて対策が必要な感じ。





欠けたりした部分はダイソーのエポキシを盛ってからシリコン型で再度クランプ。
バリとか取ったら割とまともなボディになりました。
ただドクリアーって感じではなく、さらにかなり柔らかくてほんとにエポキシなのか?というレベル。
リブなどを入れていないため、ボディ上部などは指で曲げられちゃうレベル。





ドクリアーにするには一度セルロールセメントにドブ漬けすれば良いでしょ。とやってみたらドクリアーに。
でもあまりにも剛性がなかったため、熱入れて硬化を早めてみたりしたらワニクリップで摘んでたボディ先端がモゲた…。





マテリアルをウェーブ レジンキャストExに変更。
エポキシのときシリコン型のクランプが弱かったので、ちょっと強くしたら、今度は強くしすぎてシリコン型が変形してしまっていて、流れ込み不良。






再チャレンジで無事成功。
ただほんの僅かでも行き止まり部分は空気が抜けておらず、欠けてしまっている。
なかなかピーキーなんだなぁ…。





ウェーブ レジンキャストExでの量産は成功(手前の灰色のやつ)。
収縮や素材自体の比重の差、コーティングの厚さや塗装の有無はあるものの、3DプリンターのPLA製(奥の塗装された2本)に比べて20%くらい軽い。
トップチニング用のため、この20%の重量差はかなり大きく、ウェーブ レジンキャストEx製ルアーは切れ味抜群で機敏に動き、使っててすっっっごい楽しい。







ウェーブ レジンキャストExは成功したので、アートクリアーエポキシレジンでもなんとかしたい。
かき混ぜる時間を長くしたり、型から取り出すまで5日ほど時間を置いたりしてみたところ、前回より硬く剛性がある。





今回はドクリアーにはせず、内側にクリアースプレー1回拭いて組み上げ。





接着後にセルロールセメントにドブ漬けしたら割とクリアー化。





さらに数回ドブ漬け。
ちょっと黄変した感じが出たものの、十分クリアーカラーと言えるレベル。
剛性も前回のは何だったんた?と言えるほど硬くなった。
このアートクリアーエポキシレジンはかなり時間を置く必要があるみたい。
でもウェーブ レジンキャストExの方が硬いかなぁ?

クリアーカラーにすると、マスターボディの内部の削り出しのパスが少ない、エンドミル長的に削り残しが出る、ヤスリ掛けが足りず切削痕が残っているのがモロに反映されてしまい、もっとしっかり処理しろよ!というのが結構目立つ。
それでも今まではアクリルなど透明素材を削り出す事でしか作れなかったクリアーボディのルアーが、量産出来るレベルに出来たというのはとても大きい。
3Dプリンターや手で削ったルアーでも同じ事が出来るので(精度は抜きにして)、ドクリアーのルアー作りたいって方は参考にどうそ。



ちなみに2液性レジンを真空脱泡すると、揮発性成分が真空度によっては沸騰して気泡が生まれるみたいです。
なので真空脱泡機に入れて真空引きしてるのに、いつまでも泡が出てくるというのは当たり前だぼけー!らしい。
それにより硬化不良とか起きる事も懸念されるので、もしかしたら1発目のエポキシがなかなか硬くならなかったのはコレが原因の可能性も(2回目は真空脱泡を短時間&流し込む前などやり方を変えた)。
結構難しいのね。


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