3Dプリンターで自作ルアー その1

2020年05月09日 18:04

自粛モードで釣りにも行っちゃダメな雰囲気なので、そのうちやろうかなーと思っていた3Dプリンターで自作ルアー作りに挑戦してみました。
使っている3DプリンターのAdventurer3にも慣れてきたことだしね(゚∀゚)





まずはFusion360でモデリング。
今回は今までの組み方から細かいところを変えています。





まず半身でのロフトをやめて、全周での1本物を一気にロフトします。
輪切りスプラインをミラーで反対側にも作ります。
半身を作った後にミラーするより綺麗に繋がります。





この際、私のFusion360のルアーモデリング方法で問題になるのが、側線部分のガイド。
輪切りスプラインの頂点にスナップさせる3Dスプラインは、ミラーすることが出来ません。
スナップさせるだけの3Dスプラインなら、反対側も同様の方法で作れば手動ミラーで作れますが、ベジェコントローラーを弄ると全く同一のスプラインを手動で作るのは極めて困難です。

そこで片側の側線ガイドをベジェコントローラーなどいじって完成させた後、サーフェスのロフトでこの側線ガイドを用いた面を作ります。
この面をミラーして反対側に作り、「3Dジオメトリを投影」でミラー化したスプラインを投影します。
これで側線ガイドの3Dスプラインをミラー出来ました。





次に中空ボディです。
複雑な形になるとボディをプレス/プルやシェルで縮めて中空部分を作る事が出来ないため、今までは手動でなんとかやってきました。
これが一番確実なんですが、やっぱり一発でなんとかしたい。

そもそもなぜプレス/プルやシェルで縮められないかというと、縮めようとした際、特にボディ末端部分の頂点が自己交差してしまうためです。
回避するにはこの「自己交差してしまっているであろう」部分を単純化して、計算しやすくしてやれば良いわけです。





そこでボディ末端部分を直線上に分割して、自己交差が起こりやすい部分を単純化します。
末端を分割してもプレス/プルやシェルに失敗する場合、分割ラインをより広く取るように移動させます。
またボディ全体の流れも綺麗に整えれば、自然と自己交差しづらくなり、この分割ラインが必要ない形状になることもあります。





3Dプリンターでの印刷は「どの方向から印刷するか」が重要です。
特にAdventurer3のようなFDM型3Dプリンターでは印刷面が綺麗な面と荒れる面が出て、これは精度にも直結します。
今回は2枚開きのボディ同士を「ピチッ」とハメコミ出来るレベルにしたいので、ボディ内部の精度を重視します。





この「ピチッ」とハメコミを行うために、ボディ同士が接する部分に凹凸を作ります。
Adventurer3のノズルは0.4mmnなので、これ以下の精度は物理的に厳しいです。
また精度というか公差もあり、例えば10mmの穴に10mmの棒は入りません。
Adventurer3の場合、10mmの穴に入る棒はFusion360で書くなら9.4~9.5mmです。

これらを考慮して、凹凸を作ります。
ボディ外壁に直接凹凸ラインを作ると精度や強度的に厳しそうなので、ボディ外壁からオフセットする形で凹凸ラインを作ります。
これだとボディ外壁から飛び出る形になるので、印刷しやすいように傾斜面を作ります。
傾斜面はサーフェスロフトで繋いでいます。





オモリは3Dプリンターでの自作ルアー作りとか書きながら、CNCを使っちゃいましょう!
3DプリンターのAdventurer3は比較的大きめの公差が出るので、これを考慮してプレス/プルで縮小した形状を金型として削り出します。





アルミから削り出した金型に熱して溶かした鉛を流し込み鋳造します。
アイも一緒に入れてスペースを最大限利用します。
製造の手間がかかるので、市販のルアーではまず見る事がない方式です。





ボディをAdventurer3で印刷しました。
凹凸面が綺麗にハメコミ出来るか…。





1発で「パチッ」とハメコミすることが出来ました。

左側はボディ浮力部分外周が凸で伸びており、右側は凹で凹んでいます。
ここの精度が出ていればパチッとハマってズレなしで接着可能となります。
また接着面積も増えるので防水効果もアップ。

使用している3Dプリンターに慣れて公差を考えられれば、ギリギリの精度でハメコミも可能です。





素材が揃いました。
毎度のこと、アイも自作です。





フィラメントはやっっっっっすーーーいPLAフィラメントを使用しています。
PLAフィラメントはABS用接着剤で溶解接着させる事ができます。
比較的たっぷりめに塗って接着。

精度的に内部面を綺麗に出したかったため、表面はサポート剤など含めてガサガサ。
PLAは切削性が良くないので、ヤスリで表面を整えづらい。
結構がんばってヤスっても、なかなか綺麗になりません。




今回はココまで!
次回はコーティングと実際の使用感など…って釣り出来るような状況ではない感じなので、釣果は無理かもー。
早く普通に戻らないかなぁー


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