06トーナメントISO Z2500LBDメンテナンス1

2015年05月14日 20:13


ごんずい博士さんがメンテしようとしたら動かなくなっちゃったよーと泣きついて来たので06トーナメントISO Z2500LBD(ダイワ公式メンテナンスのSLPリンク)のメンテナンスを引き受ける事となりました。
一難去ってまた一難なリールで、長くなりそうなので記事を分けてお届けします。
というわけで、その1です。





ごんずい博士さんがリールお尻のキャップを外し、そこからオイルやらさそうとしたら動かなくなっちゃったーということで、受け取る前の時点で「たぶんオシレーション(スプールを上下運動させるための機構)のウォームシャフトギアとスライダーが噛んだんだろうな」と思ってはいましたが予想通りビンゴ。

 2015/03/08

この銀狼のメンテナンス記事でも書きましたが、ダイワのスピニングリールのオシレーションは基本的にSカム方式というカムとギアを利用してスプールを上下させています。
しかしダイワでもレバーブレーキのスピニングリールは、シマノのほとんどのリール同様、円柱にX状の溝が入ったウォームシャフトギアでのオシレーションを行います。
ウォームシャフトギアには利点もあると思いますが、私はSカム方式のが良いと思っています。というか、ウォームシャフトギアは欠点のが多いと思います。

で、完全にウォームシャフトギアに噛んでいるので、本来はボディ蓋を取ってからなんとかしたいところですが、結構前のダイワのLBDリールはオシレーションスライダーのネジを外さないとメインシャフトが抜けず、メインシャフトを抜かないとローターが抜けず、ローターを抜かないとボディ蓋が外せないという、海原雄山先生なら「これを作ったのは誰だー!女将を呼べ!」と憤死ものの設計。
オシレーションスライダーが奥に入っちゃって動かせないんだってばよ!
ラチがあかないので、ウォームシャフトギアのお尻にあるベアリングを外し、それでもガッチリ噛んでいるため、ちょっと強引にひねって外します。
とりあえずオシレーションスライダーは無事に動きました。
写真は動いた状態。





はい、ナメました\(^o^)/オワタ
ネジを外す時は、押す力8割、回す力2割が基本と言われていますが、たぶんネジロック剤が入っていてびくともしません(´Д`;)
ここをナメるとこのリールのメンテナンスは8割出来ないと言っても過言ではありません。
正常動作に戻す事は可能ですが、この時点ではメンテナンスに関しては完璧に\(^o^)/オワタ





救世主を買ってみました。
ネジ穴をナメたネジを逆タップで取り外すためのビットです。
頼むぞ、アネックス(ANEX) なめたネジはずしビット3本組!






本来は電動ドリルなどで使うものですが、力が逃げないように卓上フライス盤でやります。
フライス盤なら電動ドリルに比べて遙かに高い精度でセンターを出せるのですが、リール本体ごとの加工となるため、クランプが難しいというか怖い!
傷つけるのも嫌ですし、強い力を加えたらバキっと逝きそう((;゚Д゚)ガクブル
厚めの布やらを敷いて慎重にクランプします。

ネジの場所とサイズの問題で、救世主付属のM2.5~M3用下穴用ドリルが入りません(´ー`;)
φ1.5mmのドリルで下穴を空けます。
ステンレスネジ用の切削液も付いていますので、切削液を持っていない方には便利かもー。





キタ━(゚∀゚)━!





想像以上に綺麗に抜けました!
予想通りネジロック剤が入っており、若干錆も…。
556を入れておいて正解だったかも。

使い方としては、真上からそれなりに力を入れつつ、逆タップが噛む感覚を得ながら逆回転させて食い込ませれば抜けますね。
付属の説明書には電動ドリルの逆回転モードで。みたいに書いてますが、小さいネジは手動で回した方が良いかと。
ボール盤やフライス盤でやれば高確率で抜けると思います。
ただ完璧に錆び付いたネジは事前に556や熱を入れないと無理かも。





本来はこういう外しづらいネジは556を浸透させて錆をある程度浮かせてからとか、ヒートガンやバーナーで熱を入れてネジロック剤を溶かしてからが普通ですが、場所と対象物的に今回は熱を入れる事をためらいました。
他のパーツへの影響を考えると、熱を入れるのって怖いんですよねぇ…。





そして一難去ってまた一難。
中央のピニオンギア(金色)の横にある、溝が付いた円柱状の物体。
なんだこれ…。
銀狼はこんなのなかった。
展開図とにらめっこすると、どうもコイツはネジが切ってある!Σ(゚Д゚;)
このパーツでラチェットとベアリングを止めているっぽい。
ってことは、この溝に合うようなレンチで回せって事!?
そんな工具見たことないんだけど…。





素材ボックスにあったタモの柄の残骸(中にアルミ入り)があったので、それを切削して自作治具を製作し回してみることに。
硬っ!
またネジロック剤かよ!いい加減にしろダイワ!
製作した治具の強度不足で治具は使い物にならなくなってしまった&若干ナメたけど、なんとか外す事に成功(´Д`;)
ものすごいネジロック剤で完全に固着。
こんなのヒートガンで熱入れて、きっちりした特殊工具使わないと外せないって。

これが規格品なのか気になったので少し調べてみたところ、どうもエアガンなどのパーツに使われているらしいものと形状が似ているっぽく、エアガン用のバルブレンチでコレが外せそう?
そんなの持ってないよー





なんとか中までたどり着き、真っ黒だったボディ内部を洗浄&オイルグリスアップまで(;´Д`)ハァハァ
ちなみにココに至るまでにもう1本ガッチガチのネジロック剤で固着したネジをナメ、救世主のアネックスなめたネジはずしビットに助けられました。
買った価値あった!これからもナメたら使おう(´ー` )

そもそも今回のメンテナンスはごんずい博士さんがリールの音鳴りが気になったようで。
リールの音鳴りの主な原因は、オイルやグリス切れによる何らかのパーツが擦れ合う音です。
ただ完全にオイルやグリスが抜ける事はあまりないと思うので(水没しない限り)、メンテナス怖いよーって方は基本的には気にしないのが良いと思います。
どうしても…という場合は、メーカーオフィシャルのメンテナンスに出す事が一番良いですが、分解大好き!って方はバラしてみるのも面白いと思います。

グリスとオイルの使い分けですが、リールに関しては強い力で擦り合う可能性がある部分は基本グリス(ギア関連)。
他はオイルで良いと思います。
ただコレも対象魚やリールサイズ、リールの使い方に寄るところが結構あります。
例えばルアーでバイブレーションメインで使う場合、回転性能よりも強い力に耐えられるかの方が重要で、回転性能より耐久力重視の粘度が高めのオイルやグリスが良いですし、ナイトの軽いルアーをゆっくり巻く場合などは逆が良かったりします。
あとはメンテナンスや使用頻度などなど。
よく「このオイルが一番!」とか言う方やメーカーが居ますが、私は上記のように人によってマチマチだと思うので、使う人にあったセッティングで仕上げる方が重要かなーと。

で、音鳴りですが、基本的に粘度が高めのオイルやグリスを使うと軽減出来ます。
粘度が低いオイルやグリスは回転性能は抜群なのですが、切れるのが早く、こまめなメンテナンスが出来ないと逆に微妙になってしまいます。
オイルに関してはドライ系よりもウェット系が音鳴り軽減には効果があります。


というわけで、06トーナメントISO Z2500LBDメンテナンスその1終わり。
その2は組み立てとか中心にかるーく済ませたい…。


最後に正直に書きます。
このリールのメンテナンスを考えている人は素直に諦めてメーカーに出すべき!(´ー`;)


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