自走式自作ルアー回収機 すなどりくん2、実はだいぶ前に完成しておりました。
前回のログでは
二重反転プロペラの動作確認まで出来たので、実際のボディを作って組み込みます。
ボディ上部にCNCで削り出した浮力体の木材(桐)を追加して、バランス向上を狙っています。
これでいざお風呂スイムテストを行ってみたところ、まだまだ問題てんこ盛り。
まず最初の大きな問題が「これはやっちまったか…」と思うほど速度が出ない。
速度が出ないと流れに負けてルアーに到達出来ない、到達してもスナップをキャプチャーフックの奥深くまで取り込む事ができずにフッキング率が下がるなどなど…。
ギア比を多段で下げているため、モーターの回転に比べてプロペラの回転は20%くらいまで落ちている。
その分トルクを上げて水の抵抗に回転が負けないようにしているんだけど、二重反転プロペラの静圧にしては速度が出ていない。
ギア比を見直して40%くらいまで上げた。
しかしこれでも速度がそれほど変わらない。
ということは、プロペラの形状が悪いのか?とテストを繰り返していると、高トルクなのに水中に入れ続けるとモーターの回転数が少しずつ落ちていっている感じがある。
水の抵抗に回転が負けて、モーターが止まりそう。
何かがおかしい。とチェックをかけると、防水のスタンチューブ構造を守るための自作ゴムワッシャーの抵抗がどうやら大きい。
ちょっと緩いゴムワッシャーを作ってみると速度が倍以上にアップ。
これは精度出したゴムワッシャー作らなきゃアカン。
アクリルでこんな治具を作り、パンチで切り抜いたゴムを押し付け、卓上フライスを旋盤的に使って精度出るようにゴムワッシャーセンターに穴あけ。
さらに厚2mmのゴムワッシャーを厚1mm+0.5mmの2枚構造にし、厚1mmの方はちょっと大きめの穴、厚0.5mmの方はキツめの穴で抵抗と防水を両立させる設計に。
次にキャプチャーフックとアイを保持するアルミ板が重く、削り出した木材の浮力が足りずひっくり返る。
実際はすなどりくん2本体がPE本線に吊り下がる形になるので問題はない…だけど、出来れば単体でバランス良くギギャァァァァ!と突っ走って欲しい。
浮力体の設計を見直して大型化。
機体の横幅と同じにしているため、持ち運び時にこの浮力体が邪魔で収納しづらい。という事がない程度。
二重反転プロペラで機体安定性は上がった…上がったんだけど、内部ではモーターが高速で回転しており、どうやらこのジャイロ効果も込みで、まだまだ機体がロールしようとしてしまう。
それでもロールしようとする力は、すなどりくん1や2の初期ver.と比べると1/3以下で、調整次第でなんとかなりそう。
ロールしようとする方向と逆側の二重反転プロペラを大きくしたり、ロールするプロペラ側を小さくしたりのトライ&エラー。
数々の困難を乗り越え、ついに自走式自作ルアー回収機 すなどりくん2 二重反転プロペラの完成。
書ききれない事もまだまだあるんだけど、苦労話ばっかりってのも面白くないし省略。
恒例のお風呂テスト。
うーん、やっぱり二重反転プロペラを使った割には速度も安定感も低い。
たぶん最大の原因は本体重量。
二重反転プロペラではギアを多段で重ねる必要があるため、どうしてもサイズが大きくなってしまう。
さらに3Dプリンターでボディをゼロから作っているため、強度や精度の問題で市販の射出成形品より分厚く重たくなってしまう。
ミニ四駆などで使われる130モーターのサイズや仕様もある。
すなどりくん2は私の製造環境や能力の限界に近いモノは出来た。
性能は満足するものにはならなかったけど、製造過程はとても勉強になった。
この仕様をこれ以上のモノに仕上げるには、現状の私では難しい。
性能アップを目指すには大きく仕様を変更する必要がある。
次回、すなどりくん3でまた会おう!