2019年11月28日
携帯血抜き&神経抜きポンプ改良型
ダイソー商品で作る携帯型血抜き&神経抜きポンプは好評のようで、結構いろんな方が作って使って楽しみつつ美味しいお魚を食べてくださっているようです。
でも先日ブリを釣ってわかったのは、やっぱりもうちょっとパワーが欲しい&使い勝手を上げたい。
ゼロ設計のガチはさすがに面倒なので、なるべくお手軽に私の環境で作れるものを目指します。
まずなぜ出力が微妙なのか。
ダイソーの加圧式ポンプは炭酸飲料のペットボトルなら私の体感で4barくらいまでは入ります。
でも出力口が小さいにも関わらず出力は4bar出てる感じはない。
考えられる原因はアタッチメントパーツを多段で重ねている事と出力の引き代が小さい事。
出力の引き代を大きくするのはちょっと面倒なので、アタッチメントの方をなんとかしたい。
というわけで、この灰色のパーツ部分から作り直してみましょう。
毎度のFusion360でモデリング。
3DプリンターのAdventurer3で出力。
半透明のパーツはダイソー加圧式パーツ。
ここがテーパ形状になっていて、開放弁を押す(引く)事によって空気がドッと出るみたいです。
何度か血抜き&神経抜きをやってわかったことがあります。
本家津本さんの先端工具のように先端が短いとこの携帯型では具合がよろしくない。
本家の方は水道のホースからの圧倒的な水圧によって押し出す力がありますが、この携帯型は残念ながらそこまでの圧がない。
PCや換気扇のファンなんかの「静圧」と「風量」の関係に似ています。
どれだけ風量があっても静圧がないと押す力が弱く、ちょっとの障害物で力が逃げて伝わらない。
そのため先端は15mmくらいの長さが欲しくて、さらに水が逃げないように指で根本を摘むか、ゴムキャップなどで水漏れをなるべく防ぐかが必要です。
これでもまだ完全な最短ストレートではないんですが、アタッチメント数を減らした事によってだいぶ良くなったと思います。
いざ実践。
ナイト釣行でコノシロパターンのランカー近いシーバスの群れに当たり、存分に楽しんだ後、友達が食う!というのでお持ち帰りの血抜き&神経抜きにチャレンジ。
ナイト釣行のため、HX-A1Hの赤外線モードで色がないのはご了承ください。
手順を説明します。
1.脳死させる
ナイフとハサミ(剪定用が良い)で脳死させます。
どの魚もエラは2本の線があって、真ん中側の線の上がこめかみなのでココにナイフを突き刺します。
小型のナイフだと脳死や神経を切断させる事が難しいので、ハサミをさらに突き刺して穴を広げます。
これを行うと確実に脳死させる事が出来て、さらに神経も抜けやすくなります。
2.エラを切る
エラとお腹の間に薄い膜があるので、ここを切ります。
この際、刃を上側にして中骨に当てて切り裂いて動脈を切断させることが重要です。
あわせてエラもズバッと切ります。
エラは「くの字」になっているので、折れ曲がった部分からお腹の方にナイフを引けばランカークラスのシーバスでも小型ナイフで切れます。
どうしても切れないならハサミを使うと良いでしょう。
3.水中血抜き
水中で振って基本血抜きをします。
エラ洗いレベルで豪快に頭を振って、エラの色が抜けるくらいまで振り続けます。
4.尾っぽ付け根を切って折る
背びれ&尻びれの末端と尾っぽの中間くらいを切ります。
尾っぽ側過ぎると神経と動脈が見えず、神経棒すら通りません。
なので、ちょっと背びれ&尻びれ付け根側の方を切った方が良いです。
骨はかなり硬いのでナイフの柄に近い部分を使って、さらに体重をかけて切断します。
どうしても切れない場合はハサミで骨を折るようにしてもいいと思います。
骨から下側をカットすると、尾っぽを折り曲げやすくなり、神経と動脈が見える状態に出来ます。
5.神経抜き
骨の真上に穴があり、これが神経の穴です。
ここに加圧した携帯ポンプ先端を入れて噴射します。
この際、水も一緒に噴射するとパワー不足で神経が抜きづらいので、空気だけで噴射する方が抜けやすいです。
そのため、加圧式ポンプの注水用管は使わない方が空気と水を使い分け出来て便利です。
6.血抜き
骨の真下にも穴があり、これが動脈の穴です。
ここに加圧した携帯ポンプの先端を入れ、水と一緒に噴射します。
この際、動脈と携帯ポンプ先端の接点を指で抑えると水の逃げを抑えられ、注水しやすくなります。
だいたい5秒以上注水すると、エラの方から血がじわじわと出てくると思います。
本家津本式ではこの後にホースを使ってエラからの注水を行いますが、現地でコレは出来ないので、尾っぽ側から納得するまで注水しちゃっていいと思います。
7.はらわた取り
お腹の肛門の辺りから腹びれにかけてナイフを通し、はらわたを取ります。
エラとエラ膜をカットしてはらわたをゴソッと取る方法もあるんですが、小型ナイフだとシーバスのようにエラが硬い魚はエラの切断が難しいので、お腹側から取り出した方が簡単な場合もあります。
エラを切るのが難しければ剪定用ハサミも便利です。
家に帰ってから本家津本式エラ注水を行うなら、はらわたの膜は取らないでください。
水が逃げて注水出来ません。
エラ注水を行わないなら膜を取って、歯ブラシなどを使って水中で血合いも一緒に取っちゃった方が良いと思います。
鱗は魚体を保護しているらしいので、熟成させるなら取らない方が良いらしいです。
台所をなるべく汚したくない!なら取っちゃっても良いのではないかと。
8.完成
頭側を下にして重力を利用し注水した水&血を抜きやすくします。
これで現地で出来る血抜き&神経抜きの完成です。
海水は雑菌が結構多いらしいので、家に帰ったら必ず水道水で洗い流してください。
私の手順を解説しましたが、間違いなく本家津本さんの動画の方がわかりやすいので、美味しいお魚を持って帰りたい!なら必見です。
そうそう、最後に重要な事を。
使用するペットボトルは炭酸飲料用の1.5リットル以上を使うと良いぞ。
500mlとかのが持ち運びしやすくて良いんですが、加圧の容量が全然違うんでパワーが桁違いです。
小さい魚メインなら350~500mlでも良いと思います。
でも大きいお魚なら絶対1.5L以上がオススメ。
ランカーシーバスクラスでも動画の通り抜けます。
2019/09/16
でも先日ブリを釣ってわかったのは、やっぱりもうちょっとパワーが欲しい&使い勝手を上げたい。
ゼロ設計のガチはさすがに面倒なので、なるべくお手軽に私の環境で作れるものを目指します。
まずなぜ出力が微妙なのか。
ダイソーの加圧式ポンプは炭酸飲料のペットボトルなら私の体感で4barくらいまでは入ります。
でも出力口が小さいにも関わらず出力は4bar出てる感じはない。
考えられる原因はアタッチメントパーツを多段で重ねている事と出力の引き代が小さい事。
出力の引き代を大きくするのはちょっと面倒なので、アタッチメントの方をなんとかしたい。
というわけで、この灰色のパーツ部分から作り直してみましょう。
毎度のFusion360でモデリング。
3DプリンターのAdventurer3で出力。
半透明のパーツはダイソー加圧式パーツ。
ここがテーパ形状になっていて、開放弁を押す(引く)事によって空気がドッと出るみたいです。
何度か血抜き&神経抜きをやってわかったことがあります。
本家津本さんの先端工具のように先端が短いとこの携帯型では具合がよろしくない。
本家の方は水道のホースからの圧倒的な水圧によって押し出す力がありますが、この携帯型は残念ながらそこまでの圧がない。
PCや換気扇のファンなんかの「静圧」と「風量」の関係に似ています。
どれだけ風量があっても静圧がないと押す力が弱く、ちょっとの障害物で力が逃げて伝わらない。
そのため先端は15mmくらいの長さが欲しくて、さらに水が逃げないように指で根本を摘むか、ゴムキャップなどで水漏れをなるべく防ぐかが必要です。
これでもまだ完全な最短ストレートではないんですが、アタッチメント数を減らした事によってだいぶ良くなったと思います。
いざ実践。
ナイト釣行でコノシロパターンのランカー近いシーバスの群れに当たり、存分に楽しんだ後、友達が食う!というのでお持ち帰りの血抜き&神経抜きにチャレンジ。
ナイト釣行のため、HX-A1Hの赤外線モードで色がないのはご了承ください。
手順を説明します。
1.脳死させる
ナイフとハサミ(剪定用が良い)で脳死させます。
どの魚もエラは2本の線があって、真ん中側の線の上がこめかみなのでココにナイフを突き刺します。
小型のナイフだと脳死や神経を切断させる事が難しいので、ハサミをさらに突き刺して穴を広げます。
これを行うと確実に脳死させる事が出来て、さらに神経も抜けやすくなります。
2.エラを切る
エラとお腹の間に薄い膜があるので、ここを切ります。
この際、刃を上側にして中骨に当てて切り裂いて動脈を切断させることが重要です。
あわせてエラもズバッと切ります。
エラは「くの字」になっているので、折れ曲がった部分からお腹の方にナイフを引けばランカークラスのシーバスでも小型ナイフで切れます。
どうしても切れないならハサミを使うと良いでしょう。
3.水中血抜き
水中で振って基本血抜きをします。
エラ洗いレベルで豪快に頭を振って、エラの色が抜けるくらいまで振り続けます。
4.尾っぽ付け根を切って折る
背びれ&尻びれの末端と尾っぽの中間くらいを切ります。
尾っぽ側過ぎると神経と動脈が見えず、神経棒すら通りません。
なので、ちょっと背びれ&尻びれ付け根側の方を切った方が良いです。
骨はかなり硬いのでナイフの柄に近い部分を使って、さらに体重をかけて切断します。
どうしても切れない場合はハサミで骨を折るようにしてもいいと思います。
骨から下側をカットすると、尾っぽを折り曲げやすくなり、神経と動脈が見える状態に出来ます。
5.神経抜き
骨の真上に穴があり、これが神経の穴です。
ここに加圧した携帯ポンプ先端を入れて噴射します。
この際、水も一緒に噴射するとパワー不足で神経が抜きづらいので、空気だけで噴射する方が抜けやすいです。
そのため、加圧式ポンプの注水用管は使わない方が空気と水を使い分け出来て便利です。
6.血抜き
骨の真下にも穴があり、これが動脈の穴です。
ここに加圧した携帯ポンプの先端を入れ、水と一緒に噴射します。
この際、動脈と携帯ポンプ先端の接点を指で抑えると水の逃げを抑えられ、注水しやすくなります。
だいたい5秒以上注水すると、エラの方から血がじわじわと出てくると思います。
本家津本式ではこの後にホースを使ってエラからの注水を行いますが、現地でコレは出来ないので、尾っぽ側から納得するまで注水しちゃっていいと思います。
7.はらわた取り
お腹の肛門の辺りから腹びれにかけてナイフを通し、はらわたを取ります。
エラとエラ膜をカットしてはらわたをゴソッと取る方法もあるんですが、小型ナイフだとシーバスのようにエラが硬い魚はエラの切断が難しいので、お腹側から取り出した方が簡単な場合もあります。
エラを切るのが難しければ剪定用ハサミも便利です。
家に帰ってから本家津本式エラ注水を行うなら、はらわたの膜は取らないでください。
水が逃げて注水出来ません。
エラ注水を行わないなら膜を取って、歯ブラシなどを使って水中で血合いも一緒に取っちゃった方が良いと思います。
鱗は魚体を保護しているらしいので、熟成させるなら取らない方が良いらしいです。
台所をなるべく汚したくない!なら取っちゃっても良いのではないかと。
8.完成
頭側を下にして重力を利用し注水した水&血を抜きやすくします。
これで現地で出来る血抜き&神経抜きの完成です。
海水は雑菌が結構多いらしいので、家に帰ったら必ず水道水で洗い流してください。
私の手順を解説しましたが、間違いなく本家津本さんの動画の方がわかりやすいので、美味しいお魚を持って帰りたい!なら必見です。
そうそう、最後に重要な事を。
使用するペットボトルは炭酸飲料用の1.5リットル以上を使うと良いぞ。
500mlとかのが持ち運びしやすくて良いんですが、加圧の容量が全然違うんでパワーが桁違いです。
小さい魚メインなら350~500mlでも良いと思います。
でも大きいお魚なら絶対1.5L以上がオススメ。
ランカーシーバスクラスでも動画の通り抜けます。