シマノのドライブギア破損から見るドライブギア構造の違い

2016年11月07日 22:20


お知り合いのTJA_11さんが12レアニウムCi4+4000XGをぶっ壊したようで、ダメになるなら一度見させてくださいよー。と浦安DIYシーバス工房に入院。
シーバスとファイトしてたらハンドルが突然外れたらしい。
レアニウムのハンドルはねじ込み式ハンドルで、ドライブギアに直接ネジ止めするシステムです。

※うんちく
スピニングリールのハンドル固定にはねじ込み式供回り式という2つの方法があります。
ねじ込み式はドライブギアにネジが切ってあり、ハンドルをドライブギアに直接ネジ止めで固定します。
供回り式はドライブギアが筒状の中空構造になっており、ハンドルのシャフトをその筒の中に通し、逆側から通したシャフトをネジで締め込んで固定します。

基本的に中級機以上がねじ込み式、それ以下が供回り式です。
供回り式の方がガタ付きが出やすいです。

TJAさんがリールを分解したところ、ハンドルをドライブギアにネジ止めしている部分のドライブギア側が捻じり切れたようで。
で、このドライブギアの捻じり切れた部分がハンドルに固着して外れない。
これが外れないとドライブギアだけではなく、ハンドルも交換しなきゃならず、余計にお金がかかちゃうよー。というわけで、壊す覚悟で良いなら私に外すチャレンジ権をくださいよ。と手元にやって来ました。





キタ━(゚∀゚)━!

なるほど、めっちゃ硬い(;´∀`)
TJAさんがプライヤーかなんかで挟んで一生懸命回そうとした形跡が見られましたが、それじゃー外れないな。って硬さでした。
そのまま精密バイスでクランプしてもダメだったので、ヤスリで少しだけ「掛かり」を作り、精密バイスでクランプしてじんわり力を入れて回したら外せました。
ガッチリクランプしちゃえばいけたと思いますが、あんま強い力でクランプしてハンドル側のネジがバカになったりしたらイヤだったもんで。





さて、これだけというのも物足りないので、シマノとダイワのねじ込み式ハンドルのドライブギアの構造の違いについて、素人目線から語ってみたいと思います。

左:ダイワ05イグジストのドライブギア
右:シマノ10エクスセンスCi4のドライブギア

よーく見るとわかりますが、シマノのドライブギアは供回りハンドル用のドライブギアのようにパイプ状の中空構造になっており、この中にタップを立ててネジを切ってあります。
ダイワは外側にネジが切ってあります。





左:ダイワ05イグジストのドライブギア
右:シマノ10エクスセンスCi4のドライブギア

ちょっとわかりづらいかもですが、右のシマノは中空構造で貫通してるのがわかります。
左のダイワは軽量化のためかな?すこしだけ削り込んでいますが、中空ではありません。





左:ダイワ05イグジストのドライブギア
右:シマノ10エクスセンスCi4のドライブギア

左ハンドルの場合、こちら側に付けます。
シマノもダイワもベアリングを差し込み、実際にハンドルを固定する部分は5mm程度です。

で、今回のTJAさんのドライブギアが捻じり切れたのは、この5mm程度の部分。
捻じり切れたドライブギア側の厚みはタップ分含めて1.2mm程度しかありません。
ここのネジはM5細目っぽいので、外径7mmのアルミ棒に4.5mmのドリルで穴開けて、M5細目のタップを立てているようなもの。
さすがに厳しくないかい?シマノさんよ。





ハンドル比較。

左:シマノ10エクスセンスCi4
右:ダイワ05イグジスト

これを見るとよくわかりますね。
シマノはハンドルのシャフトにネジが切ってあり、ドライブギアに突っ込む構造です。
ダイワはハンドルにタップが立ててあり、ドライブギアを包み込む構造です。



あくまでも素人目線ですが、シマノの中空構造は軽量化、巻きの軽さにプラス要素があり、さらに加工のしやすさもあります。
ただ強度は確実に落ちます。
普通は捻じり切れる事などないと思いますが、今回は普通ではない事が起こりました。
TJAさん曰く、このドライブギアは交換後2ヶ月程度だったというので、そもそも交換したドライブギア自体に何かしらの問題があった可能性も大きいです。

考えられる要因としては、そもそも捻じり切れる場合、もうちょいドライブギアのメインギアパーツの近くから捻じり切れる可能性が高いかと思われます。
今回は見た感じ、ベアリングから飛び出た突起部分から切れているので、ハンドルを挿した状態でハンドルに対して横方向の力が加わり続けた可能性があります。
ただその場合、ドライブギアごと、またはボディごと捻られるので、もっと色々なところにダメージが出ていそう。
少なくとも捻じり切れる前に絶対巻きに影響が出ます。




主にシマノのスピニングリールを使用している方は、たぶんほとんどの方が折りたたみハンドルを使用しているため、使用後はハンドルをたたんでいるかと思います。
使用する際、ローターを掴んで固定してハンドルを回しますが、この時あまり力を入れてグイグイと固定しない方が良いです。
そもそも固定する方向とハンドルを回す方向は同じなので、外れにくい構造です。
毎回力を入れてグイグイ固定すると、今回の件のようにドライブギアのネジ止め部分がもげる可能性もなくはないです。
ネジで固定するというのは何でもそうですが、適切な「トルク」というものがあります。
過度なトルクを掛けると壊れやすくなります。
ほどほどにね( ´∀`)


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