ナチュログ管理画面 釣り 釣り 関東 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報
プロフィール
さ
リール&ロッドはダイワ派
自作ルアーやDIYで作ったもの大好きっこ
最近はウェーディング中心

こっそり伝えたい事がある方は下記のメールアドレスにお気軽にどうぞー
クリックするとアドレス拡大画像


にほんブログ村 釣りブログ シーバス釣りへ
にほんブログ村

サイトポリシー
◆著作権◆
当ブログ記事の著作権は放棄しませんが、文章、画像、動画などの転載、複製、改変、配布などは自由に行ってかまいません。許可も必要ありません。
商用利用に関してもパクり、改良含めご自由にどうぞ(でもこっそり教えてくれると嬉しいです)。
なお安全性、正確性などは保証いたしかねますので、ご注意ください。
また当方に不利益が生じた場合、これらは告知なく変更される場合があります。
常識の範囲内でお願いします。


◆リンク◆
ページ、画像などへの直リンなど、すべてご自由にどうぞ。
許可も必要ありません。
 携帯型血抜き&神経抜きポンプ ノズル交換式
 
販売先 [ヤフオク]売り切れました


今年はトップでチニングしたい!
ということで、3Dプリンターを使ってチニング用トップルアーを作って見ることに。
まずはおなじみのFusion360でモデリング。
といっても、私はあまりトップのルアーを作った経験がなく、トップルアーの細かな違いが正直わかっていない。
今年5月に発売予定のダイワのラフトリックを参考に、80mmサイズでモデリング。





過去シーバス狙ってるとき、ミノーでキビレを何匹か釣っており、時期やタイミングでハードルアーでも釣果出せる事は確認済み。
ただチヌ系は噛む力が強く、私が普段作っているウッドルアーではボディに歯型がついてしまう。
使い続けると結構早い段階でボディが破壊される可能性が高い。
そんなわけで、今回はウッドボディよりもっと強度がある3Dプリンターでルアーを作る事に。





何度かの試作と内部構造の調整を行って、とりあえず形に。
ラトルが結構効くということで、かなりカチャカチャ鳴る仕様に。





ここからが今回の本題。
3Dプリンターでルアーを作る際、積層(出力)方向で違いがある。
私のルアーの作り方は2枚開きの鏡合わせでボディを接着するため、内部構造にこだわる事が出来る。
一般的な市販ルアーと同じ作り方。
ただFDM型(熱でフィラメントをにゅるにゅる溶かして盛っていくタイプ)の3Dプリンターでこの方式で作ろうとすると、積層方向によって色々違いが出てしまう。





まずボディ内側をプラットフォームの下に設定する場合。

メリット
 ・ボディ表面は比較的キレイ
 ・ボディの強度が高く割れ(折れ)づらい
 ・ラフトがなくても出力可能

デメリット
 ・ボディ内部にサポートが入るため精度が出しづらい(特にアイ)
 ・ボディ表面に等高線のような模様が出る


最大の難点はアイ周辺の精度が出しづらい事。
またボディ表面はキレイだが等高線のような模様が出てしまうので、これをヤスリでキレイに潰せるのはABSフィラメントのみ。
ただボディ表面の印刷自体は等高線の段々が出来てしまうものの、ノズルを押し付けられながら印刷されるためキレイではある。





次にボディ表面をプラットフォームの下に設定する場合。

メリット
 ・ボディ内部の精度が出る
 ・ボディの強度が高く割れ(折れ)づらい
 ・ボディ同士を接着する際、均等な力を加えて固定出来る

デメリット
 ・ボディ表面にサポート痕が残る
 ・ラフトやサポートが必須


比較的利点が大きいのが表面を下に設定する方法。
内部の精度が出やすく、強度もあり、ラフトやサポートの面が水平なのを利用し、ボディをあわせたときに均一な力を掛けながら接着固定が出来る。
ただルアー表面にサポート痕が残り、ボディ表面の多くの面積がオーバーハングで印刷されるためキレイに出力されづらい。
ボディ表面は一番汚く凸凹が出てしまうので、コーティング->ヤスリのループを何度か繰り返す必要がある。
コーティングや塗装を行うのであれば良い方法。





最後にルアーを立てて出力する場合。

メリット
 ・表面、内部共にある程度の精度や綺麗さがある

デメリット
 ・形状によっては出力出来ない
 ・ラフトやサポートが必須
 ・強度が低くなりがち(折れやすい)
 ・接着面のヤスリ掛けが必要
 ・内部構造を考える必要がある
 ・出力が安定しづらい


メリットはルアー表面が一番キレイに見えるため、そのままでも単色ルアーとして悪くない。
デメリットの多くは3Dプリンターをかなり理解していないと出力が困難。
3Dプリンターの特性を理解していれば良い結果が得られる。





例えば内部のオモリを固定するスペースや、フロントアイ、ラインアイ部分。
このまま印刷すると、完全なオーバーハングでダレてうまくいかない。
サポートを入れても良いのだが、使っている3DプリンターのAdventurer3では枝サポートはラフト必須でかなりめんどくさい。
ラインサポートだとボディ内部から生やす事になるので、後処理が面倒だったり、うまくいかない事も多い。





そこでオーバーハングする直前に坂道のようなリブを作る。
こうする完全なオーバーハングは避けられるため、サポートがなくても出力出来る。





次に印刷を安定させる方法。
FDM型の3Dプリンターで出力を安定させるには、オブジェクトはピラミッドのようにプラットフォームにくっつく面積が大きいのが理想。
この出力方式では、内部構造などにノズルが接触して、出力中にルアーが揺れてしまう事が多い。
揺れると印刷精度が下がるだけでなく、最悪プラットフォームから剥がれてしまい、印刷の失敗に繋がる。
印刷中にルアーが倒れないように結構大きなラフトを設定するのが一般的だが、土台面積が大きくてもルアーのように細長いとやはり揺れて失敗する事がある。
これを防ぐにはボディに枝サポートを作る事になるが、枝サポート自体が太くないと揺れを止められず、さらにサポート痕が残ってしまう。

そこで揺れを抑える壁をボディ内側に設置し一緒に印刷する。
この壁はボディとの隙間を0.1mm以下の設定で配置しており、わずかにくっついて印刷されるので、擬似的なラフトのように機能する。
また壁をボディ内側に作る事により、内側は接着面を整えるためヤスリを入れるのでサポート痕が残らない。





3Dプリンタルアーは接着固定すればすぐ投げられるように見えるのだが、現実はそうもいかない。
FDM型の印刷物はどんな単純な構造でも、密着されているように見えて微細な隙間が空いている事がかなり多い。
ルアーにピンホールが空いている場合、確実に浸水してしまう。
そのため防水処理のコーティングが必要となる。





ハンドメイドルアーでおなじみのセルロースセメントやウレタンでドブ漬け(ティッピング)するのが一般的。
私はセルロースセメントを使うのだが、セルロースセメントは溶剤効果があり、使用したフィラメントによっては色流れが起きる。
色流れするということは溶けてるということで、より強固な防水処理になるのだが、もう一手間掛けてさらに強固に出来る。

PLAやABSフィラメントはアクリル系接着剤で溶着する。
ようは溶ける。
なので最初にもっと粘度が低いアセトンにドブ漬けして、表面を軽く溶かして染み込ませる。
その後表面を整えるために軽くヤスリを入れて、再度アセトンにドブ漬け。
これで簡易防水が完成。
あとは保護として表面がツルツルになるまでセルロースセメントでのドブ漬けを繰り返す。
表面が整ったところで塗装に入っても良いし、テストや単色で良いならそのまま使う事も出来る。


CNC削り出しルアーに比べれば、3Dプリンタ製ルアーは作るのがとても簡単。
双方メリット・デメリットがあるが、自作したオリジナルのルアーで釣った最初の1匹というのは、自己満足の釣りの世界でもまた格別。
興味のある方は是非チャレンジしてみてください。

  

2022年10月01日

SDGsな自作ワーム


チニングやってると結構な頻度でワームをズタボロにされ、貧乏性なもんでハンダコテを使って修復して使っています。
それでも千切れちゃったりは当たり前で、同種のワームを繋ぎ合わせてフランケン化して修復を試みたりも。
それも限界になれば捨てるしかないんですが、これを溶かして型に流し込めば、自作ワームを作れるのでは?
いやいや、チニングにそんなガチになる予定はない!
と思っていたんですが、先日雷で瞬電した際、マンションのネットワークが落ちてしまい、あまりにも暇なもんでついカッとなって自作ワームのモデリングに着手してしまいました。





そのままお蔵入りで寝かせてもよかったんですが、台風で釣りに行けない!
ついカッとなってCNCでアルミから削り出して金型を作ってしまった。
CNC環境がちょっとアップグレードしたので、そのテストも兼ねて。





お菓子作り用のステンレス製軽量カップに、細かく切ったダイソーのワームを入れて加熱し、別途加熱した金型に流し込んでみました。
ワームの溶け具合が微妙な感じで「とろとろ」というより「ドロドロ…」で、溶けたワームの流動性がいまいち。
圧を掛けられるようにアルミパイプにアルミ棒を突っ込んで押し込めるようにしていたものの、末端までワームが行き届いていない。
でも金型は悪くない印象。





金型に問題がないのかをチェックするため、シリコンを流し込んでみる。
流し込み口にしているアルミパイプにアルミ棒を突っ込んで圧を掛けてみると、空気の逃げ道(エアーベントというらしい)から外にシリコンが出てきた。
ということはワーム先端の足先などにもみっちりとシリコンが流れ込んでいるということで、金型側に大きな問題はなさそう。






シリコンの硬化を待ってから金型を開けてみたところ、流し込みは問題なく成功と言えるレベル。
ただ金型を開ける際、足が金型の片側に引っ張られて真ん中あたりで切れてしまった。
シリコンはびみょーに硬いので、これはしょうがないかも。





再利用で溶かすワームが悪いか、溶かし方が悪いのではなかろうか。
どうやら先人たちは紙コップ+ラップで電子レンジを使って溶かすみたい。
使用するワームをセリアのワームにし、先人たちと同様の電子レンジでやってみたところ、うまく流し込めてる!





と思ったものの、ボディの太いところが中空化してしまっている。





シリコンシーラントなどで埋めれば使えない事はないけど、なんとか流し込みだけでうまく行って欲しいなぁー。
100点満点中、70点といったところ。





色々考えて後日再チャレンジ。
100点満点中、90点くらいまでグレードアップに成功!





流し込んだ後、金型を水で冷却すると、注ぎ口から溢れそうなワームがマテ貝のごとく「ぎゅぅぅぅ」と奥に収縮して引っ込んでいくのがわかった。
どうやら金型が冷却されると、溶けたワームが金型側に引っ張られるように「ヒケて」しまい、ワーム中央付近のまだ冷却されていない部分が中空化してしまうっぽい。
たぶんだけど、ワーム外側が冷えて固まって収縮するのに、中心付近はまだ熱を持っていて柔らかいから、冷えて収縮する外側に中心付近が引っ張られて中空化してしまうと。
理論的には冷却を均一にすれば大丈夫だと思うけど、中心付近まで含めて冷却を均一化なんてうちじゃ難しいぞと。
それになるべく早く成形したいから、自然冷却なんて待ってられない。

幸い注ぎ口付近が中空化しやすいのを逆手に取り、一度冷却して中空化した後、再度ワームを流し込んで埋めちゃえ。というので、結構な確率で中空化を埋める事が出来ました。
2度手間なんだけど、現状コレ以外の手っ取り早い解決方法がわからない。





作ったならテストじゃー!と45くらいのクロダイ。
ワーム中央付近だけリブがないのは、私のダブルフックシステムのシリコンチューブでマウント固定する際、ワームがシリコンチューブからズレないようにさせるため。
ココのワーム側がズレなければ、ファイトなどでフックとワームの固定がズレても、フック側への再装着は簡単。
このフックシステムに最高にマッチした自作ワームです。
ズタボロになったワームを捨てるのがもったいないなーと思っていたので、結構良い感じに出来て良かったー。  


たまには釣りブログらしいことを!
2021年秋の釣果まとめです。





通ってるホームは数年前までルアーマン5人いたら「お、今日は混んでるな!」って感じだったのが、今秋はMAX50人くらい居てもうげんなりですよ。
しかも釣れるポイントは超過密。
私は爆釣しなくてもいいから自由に狙ったパターンで釣りたいので、必然的に人が居ない方へ。
それもあって今年は安定釣果には程遠く、秋っぽくない釣果ばかり。
青物やシーバスはほとんど釣れず、ポイントから流れてきたサバがポツポツと…。





ナイトウェーディングに関しても例年通りのイワシパターンが存在せず、全然釣れない…。
晩秋に近づくにつれ、デイゲームでコノシロパターンがちらほら発生するもナイトウェーディングでは全然ダメ。
こりゃ今年は全然ダメかーと思っていたら、やっとコノシロ(コハダ)パターンでのボイルどころかナブラ祭り発生で、一晩で50ヒットくらいしてみたり。
コノシロ(コハダ)パターンだけあって、サイズは55~ランカー級で超パワフル。





でもそんな絶好調は即終了で、釣果はどんどん右肩下がりへ。
それでも魚の居場所を追い求め、自分の手札と経験を総動員しなんとか2つのパターンを発見。
1つ目はスリットで流れがあってベイトはいるのにあまり食わせた事がないポイント。
過去に何度か爆釣した事はあったものの、今年はコハダの通り道になっていてシーバスが追い込んでボイルするほどの高活性。





ここで大活躍したのが、ここ数年のコノシロ(コハダ)パターン対策で作った数種類の自作ルアーのうちの1本。
自分でもアレコレ投げ比べ、知り合いと隣同士でこの自作ルアーと市販ルアーで釣り比べもし、3~5倍くらいの釣果が出せました。
比較的水深が浅いシャローでのコハダパターンに絶大な釣果を出せたので、自分でも驚きの大成功と言えます。
でも比較的水深がある場所(特にデイゲーム)ではダメだったので、そっちはまた来年以降に考えなきゃなぁー。





2つ目のポイントは「えっ、そこなの!?まじで??」と全くの予想外。
結構長いこと年間通してウェーディングしてる場所だけど、ほぼ釣れた事がないので普段は完全に捨てるというか投げない。
釣れても夏場近くにダツが釣れる程度。
ましてナイトウェーディングで釣れるとは微塵も思っていなかったので、完全にこちらの手札不足。
もし来年以降もこのポイントで釣れるとなると、対策立てるのがめちゃくちゃキツイポイントなのでどうするか…。
でも知り合い含めランカークラス何本か釣れちゃったもんで、これはなんとかしないとイカンなぁー。





去年は11月入ったら速攻コノシロ抜けて死んだ海になってましたが、今年は普段より1ヶ月以上遅れて開幕し、なんとか晩秋に納得行く釣りが出来ました。
それもこれもコハダパターン用に作った自作ルアーが大当たりしてくれたのが大きい。
ランカークラスと戦うためのフックだったりしたもんで、1シーズン持たずボディがボロボロに…。





都度、エポキシで補強&補修はしていたものの、浸水して重心移動が死んでしまったため、検体としてバラすことに。
コーティングには過去何社かのセルロースセメントを使ってきましたが、今回のはナガシマのセルロースセメント。
ナガシマのセルロースセメントはベタつきなく好きなセルロースセメントなんですが、その分硬く、粘りがないようでコーティングが割れるのが今回わかった。
ナガシマのセルロースなら塗装後のドブ漬けは15回くらいやった方が良いかも。






ニッパーで塗装(コーティング)面を毟るとパキパキ割れて剥がれる。
うまく剥くとベロンと行ける。
基本的にここまで行く前にパキパキ割れて飛び散ります。





フックのサークルマークとは別の部分のボディが割れて、ここから浸水してしまった模様。
ちょうど重心移動の筒がある場所で、ボディを軽くするためにかなり削り込んでいる部分だし、さすがに強度不足だったかー。





内部構造の記録を残していなかったので、次への糧となるのだー。





というわけで、来年に向けて量産だ。




今年は年間通して貧果だったけど、晩秋にやっと良い釣りが出来たので、終わりよければ全てよし!
来年も色々作りますよー。
良いお年を!  

釣りブログじゃなくなってきていますが、一応ルアー作りでのログということで…。
CNCで木材素材を切削する際のノウハウです。

CNCで切削する際、素材によって最適な設定が異なります。
木材は柔らかいので比較的何も考えずサクサク行けるんですが、ルアー切削の場合、ノウハウによって完成度や切削時間の大幅短縮が可能となります。
youtubeでの動画の方が需要が多そうですが、素材撮影や編集が面倒なのでブログで。





今回紹介するのはこんな感じのリップレスミノーの表面側の切削について。
内部や表裏切削は需要や機会があれば?





こういうのを切削する際、多くの切削動画やブログなどでは主に「ポケット加工」で切削しましょう。と説明します。
確かに一番わかりやすくて安定です。
しかし「ポケット加工」をそのまま実行するとルアー周辺の不必要な部分まで切削するので、切削時間が余分にかかります。





ルアー外周をエンドミルの太さに合わせてオフセットしたスケッチで範囲指定すれば、切削の無駄を最小限に出来ます。
ただこれでも段々畑のような段差が出来ます。
この段差を最小限に抑えるにはZ軸の切り込みの深さを小さく(0.1mmなど)にすれば、木材なら気にならないレベルに出来るのは確かです。
しかしこれでは切削時間が猛烈に伸びます。





「ポケット加工」のZ軸切り込みを1mmくらいの粗切削にし、「スキャロップ」でフィニッシュ切削すればキレイに出来るのも間違いありません。
しかし「スキャロップ」の場合、パスが膨大になり、卓上CNCではパスの制御点が短い間隔で増えるとステッピングモーターのアクセル値(設定速度に達するまでの加速時間のようなもの)的に低速での動作になります。
例えば600mm/minの切り込み速度を指定しても、制御点が多い場合、実際には200mm/minも出ないでしょう。
このように簡単でキレイに切削しようとすると、切削時間が大幅に伸びるのがCNC(CAM)の難しいところです。

なお「ポケット加工」をしないで、いきなり「スキャロップ」で切削しようとするのは大変な事になるのでやめましょう。






ではどうするのが一番短時間でキレイな切削が出来るのか。
順を追って説明します。
木材でのルアー切削で手っ取り早くキレイなのは「走査線」切削です。
木材の場合、切削ピッチはだいたい0.3~0.4mmくらいであれば縞々模様なく、表面がキレイに切削出来ます。
多少粗く切削し、あとで紙やすりで整えるくらいがコスパ的に最適です。
ただコレも問題が2つあります。





問題1
エンドミルの特性上、Z軸方向の切り込みにはものすごい負荷がエンドミルにかかります。
そのため走査線の最初と折返し時の負荷を減らすため、まずはルアー外周をボトム2mmほど残して切削します。
これはルアー外周を2Dスケッチで予め用意しておき、「2D輪郭」で切削します。
Z軸の切り込みは素材やCNCの性能によりますが、私は諸々考えて1mmで設定。
また仕上げ代の径方向(XY軸)を0.2mmに設定しています。





問題2
外周を先に削ったため、走査線のZ軸方向の負荷は激減させる事が出来ましたが、ルアー先端部分の切削に問題が生じます。
木材をノコギリなどで切ったりドリルで穴あけした際、最後に「ベリッ」とササクレのようにカドッコが欠けてしまう経験をした方が多いのではないでしょうか。
木材には繊維の方向があり、どうしても引っ張られて剥がれてしまいます。
これと同じ事が外周を切削済みの「走査線」切削でルアー先端部に生じます。

普通なら当板をすれば回避出来ますが、CNCのルアー切削ではそうも行きません。
そのため、次の「走査線」切削とは逆方向から先端部だけを先に少しだけ切削します。
予め先端部だけの範囲をスケッチで作っておき、仕上げ代を径、軸双方0.5mmで設定して切削します。





問題を回避したので「走査線」で本切削。
私は切削ピッチは0.3~0.4mm、公差と円滑化0.01~0.02mmです。
またボトムは1mmの余白を残します。
これは次のタブ(プラモデルのランナーのようなもの)をつけて、切り抜き切削するための余白です。





目は「スキャロップ」で切削します。
正直Fusion360のスキャロップはあんまり良い切削パスを作ってくれませんが…。





最後の切り抜き前にやっておく事があります。
プラモデルのランナーのようにストック(素材)にルアーを繋ぎ止めて切削終了させるためのタブを作ります。
両面テープの方が気軽ですが、エンドミルに両面テープの粘着剤が付くと切れ味が猛烈に低下するので避けたい。
また両面テープの厚みの分だけ精度も落ちます。

タブはスケッチの「中心合わせスロット」でルアー外周に接するように描き、高さ1mmでボディを作ります。
これを「パス上のパターン」でルアー外周を選択し、パスの方向でルアー外周に沿ってタブが作られるようにします。
なおFusion360のバグでうまく行かない事があります。





最後の切り抜きは「等高線」切削を行います。
「回避/接触面」で作ったタブを選択、形状はシルエット/工具外側境界/接点境界OFF/接点のみON、ボトム1mm~ボトム0.0~0.1mmまでを切削、両方向/最大切り込みピッチ0.1mmで設定。
これでタブ間を行ったり来たりで切り抜いて行きます。





私の場合、120mm以上の大きなルアーで、表面形状が複雑でないもの(特にリップ付近)では、3mmエンドミルだけで最初から最後まで。
小さいルアーでストック素材にみっちり詰め込んで切削したい場合、1.5mmエンドミルを中心に切削します。
切削送り速度はCNCの性能的に安定する600mm/minです。
もっと良いCNCで木材なら1000~1200mm/minとかでも行けるんではなかろうかと。





切削後は紙やすり100、240、400くらいまでで表面を整える程度にかけます。
木材素材の場合コーティングが必須となるので、表面はそこまで神経質になる必要がありません。




CNC(CAM)では無駄な切削パスを極力なくす事が切削時間短縮に繋がります。
またZ軸の上げ下げも切削時間が大幅に伸びるので、これも極力最小限にしましょう。
Fusion360のCAMは「そうじゃないだろ」と不可解な動きをする切削項目もありますが、自分なりの設定を煮詰められればサクサクと組むことができます。
3Dプリンターに比べたらCNCはものすんげー大変で難しいですが、ウッドルアーはピーキーだけどメリットもたくさんあって楽しいです。
興味のある方は是非、茨の道のCNCライフへ!  

前回の
のログでウェイキーブー釣れるよ!でも潜りづらいから潜らせるために自作追加リップで潜らせるよ!って感じの書きましたが、今回はさらに踏み込んで、ウェイキーブー的なルアーを作っちゃうよ!端的に言うとパクるよ!という身も蓋もないログです。





ウェイキーブーはウェイク系ルアーの中でもかなり独特の泳ぎをします。
私はこれがわかっていなくて、実は何本もCNCで削り出してなんとなく答えにたどり着きました(たぶん)。





何が難しかったかと言えば、ボディ素材がABSとウッド(桐)の違いによって、泳ぎがこんなにも変わるのか。ということ。
今までも散々作って違いを理解したつもりになっていましたが、今回はあまりにも差が大きすぎた。

ABSと桐だと桐のが1/3ほど軽いんですが、体積があるルアーになればなるほどこの差が凄まじいことになります。
ルアーというのは基本的に軽ければ軽いほど泳ぎやすいんですが、一言に「泳ぎやすい」と言っても「泳ぎ方」はさまざま。
ウッドルアーでウェイキーブー的なのを作ろうとした場合、ウッドルアーによる「泳ぎやすいさ」は決してメリットではありませんでした。





それにはまずウェイキーブーの泳ぎと構造を知ることが重要です。
泳ぎやすいルアーの基本は内部のオモリが前方の下側にあること。
あんまり前過ぎるのもダメなんですが、基本的に頭側の下にオモリが集中しているとウォブリングが発生しやすくなり、バタバタと泳ぎます。
もちろんボディ形状も重要ですが、内部構造的にはコレが基本。

ところがウェイキーブーの場合、若干後方重心で、おまけにボディ下部ではなく中部にウェイトを配置しています。
メインウェイトが中央付近中部、サブウェイとが前方と後方、さらに中央後部のやや下にサブサブウェイトが入っています。
下部ではなく中部にウェイトを配置すると、ウォブリングよりローリングが発生しやすくなるわけですが、ウェイキーブーはウェイク系ベイトでブリブリどころかドカドカと左右に振って泳ぎます。





よくルアーで「タイトな泳ぎ」と表現することがありますが、これはウォブリングの振り幅が狭いことだと私は認識しています。
どんだけ早く巻いても大きな振り幅のウォブリングが発生せず、常に小刻みなウォブリングで抑え込まれる。
これはルアーの重さやリップも重要ですが、ボディ形状も重要。

画像はルアーを上から見ているシルエットです。
上のブリブリ泳ぐルアーはお腹辺りが膨らんでいますが、このような形状だと頭から受けた水をお腹で受け止め、お尻が振りやすくなります。
対して下のタイトな泳ぎのルアーは頭とお腹の太さにほとんど差がなく、お腹で水を受け止めることがないため、お尻が受け流すだけになります。

ウェイキーブーは他のシーバスルアーに比べ、かなり太いボディ形状で、ブリブリ泳ぐぜ!という意思を感じます。





ウッドルアーで重心移動幅を大きくして、飛んで扱いやすいウェイキーブーを作ってやるぜ!と思っていたわけですが、このウッドルアーの軽さが仇となります。
ボディをトレースしてほぼ同じ形状、ウェイト配置も同じにすると(ウェイト重量はかなり違うと思いますが)、本家ウェイキーブーの特徴であるドカドカと振り幅の大きい泳ぎにならず、ラパラのCDシリーズみたいな若干タイトにバタバタというウォブリングになってしまう。
コレはコレで釣れたんですが、S字系ルアーに近いくらいボディを振って欲しいのに…とアレコレ弄っていると、ウェイトをガンガン積み増すと泳ぎの振り幅がどんどん大きくなるということを発見。

ルアーが軽いと自身のリップと頭で発生させる水押しに負けて戻ろうとする力が強くなると思われ、タイトな泳ぎになってしまうようです。
そこでボディ後方付近にウェイトを積むと、水押しに負けず振り幅が大きくなりました。





次にウェイキーブーがローリングルアーのように中部にウェイトを積んでいることに着目し、ウェイトをルアー中部に集中してみたところ、バランスが非常に難しいことが判明。
下部にウェイトがないため、横倒しになることが多い。
そのためメインの一番重たい重心移動ウェイトは中部付近、サブのウェイトは下部に配置しバランスを取りました。
作ってみてわかりましたが、ウェイキーブーはこの辺ギリギリを攻めている感があります。





というわけで、浦安DIYシーバス的ウェイキーブー112はほぼ完成。
重心移動の筒が2発入っていたり、サブウェイトめちゃくちゃ積んでいたり、1本作るのが大変です(;´∀`)
でも本家よりかなり飛ぶし、112で137的な水押しの強いルアーになりました。
製作途中で太刀魚の猛攻にあって、ズタボロにされたりもしましたが…。





今回はかなり面白い発見が多かったので、改めてルアー作りは奥が深いなーと。
ウェイキーブー、かなり面白いルアーなので、みなさんも1本買ってみることオススメ。
私の基本的な使い方は、出来る限りスローに3回転くらい巻いて止めてを速度変えながら繰り返します。
ウェイキーブーの振り幅がminとmaxを行き来して、max側にちょっと触る程度で巻きを止めて抑える事。
コノシロの群れのど真ん中でもバコーン!とバイトが出るのはアドレナリンどばどばですよ。
そして太刀魚の猛攻でスパーー!されてロストする悲しみ…。

  

自粛モードで釣りにも行っちゃダメな雰囲気なので、そのうちやろうかなーと思っていた3Dプリンターで自作ルアー作りに挑戦してみました。
使っている3DプリンターのAdventurer3にも慣れてきたことだしね(゚∀゚)





まずはFusion360でモデリング。
今回は今までの組み方から細かいところを変えています。





まず半身でのロフトをやめて、全周での1本物を一気にロフトします。
輪切りスプラインをミラーで反対側にも作ります。
半身を作った後にミラーするより綺麗に繋がります。





この際、私のFusion360のルアーモデリング方法で問題になるのが、側線部分のガイド。
輪切りスプラインの頂点にスナップさせる3Dスプラインは、ミラーすることが出来ません。
スナップさせるだけの3Dスプラインなら、反対側も同様の方法で作れば手動ミラーで作れますが、ベジェコントローラーを弄ると全く同一のスプラインを手動で作るのは極めて困難です。

そこで片側の側線ガイドをベジェコントローラーなどいじって完成させた後、サーフェスのロフトでこの側線ガイドを用いた面を作ります。
この面をミラーして反対側に作り、「3Dジオメトリを投影」でミラー化したスプラインを投影します。
これで側線ガイドの3Dスプラインをミラー出来ました。





次に中空ボディです。
複雑な形になるとボディをプレス/プルやシェルで縮めて中空部分を作る事が出来ないため、今までは手動でなんとかやってきました。
これが一番確実なんですが、やっぱり一発でなんとかしたい。

そもそもなぜプレス/プルやシェルで縮められないかというと、縮めようとした際、特にボディ末端部分の頂点が自己交差してしまうためです。
回避するにはこの「自己交差してしまっているであろう」部分を単純化して、計算しやすくしてやれば良いわけです。





そこでボディ末端部分を直線上に分割して、自己交差が起こりやすい部分を単純化します。
末端を分割してもプレス/プルやシェルに失敗する場合、分割ラインをより広く取るように移動させます。
またボディ全体の流れも綺麗に整えれば、自然と自己交差しづらくなり、この分割ラインが必要ない形状になることもあります。





3Dプリンターでの印刷は「どの方向から印刷するか」が重要です。
特にAdventurer3のようなFDM型3Dプリンターでは印刷面が綺麗な面と荒れる面が出て、これは精度にも直結します。
今回は2枚開きのボディ同士を「ピチッ」とハメコミ出来るレベルにしたいので、ボディ内部の精度を重視します。





この「ピチッ」とハメコミを行うために、ボディ同士が接する部分に凹凸を作ります。
Adventurer3のノズルは0.4mmnなので、これ以下の精度は物理的に厳しいです。
また精度というか公差もあり、例えば10mmの穴に10mmの棒は入りません。
Adventurer3の場合、10mmの穴に入る棒はFusion360で書くなら9.4~9.5mmです。

これらを考慮して、凹凸を作ります。
ボディ外壁に直接凹凸ラインを作ると精度や強度的に厳しそうなので、ボディ外壁からオフセットする形で凹凸ラインを作ります。
これだとボディ外壁から飛び出る形になるので、印刷しやすいように傾斜面を作ります。
傾斜面はサーフェスロフトで繋いでいます。





オモリは3Dプリンターでの自作ルアー作りとか書きながら、CNCを使っちゃいましょう!
3DプリンターのAdventurer3は比較的大きめの公差が出るので、これを考慮してプレス/プルで縮小した形状を金型として削り出します。





アルミから削り出した金型に熱して溶かした鉛を流し込み鋳造します。
アイも一緒に入れてスペースを最大限利用します。
製造の手間がかかるので、市販のルアーではまず見る事がない方式です。





ボディをAdventurer3で印刷しました。
凹凸面が綺麗にハメコミ出来るか…。





1発で「パチッ」とハメコミすることが出来ました。

左側はボディ浮力部分外周が凸で伸びており、右側は凹で凹んでいます。
ここの精度が出ていればパチッとハマってズレなしで接着可能となります。
また接着面積も増えるので防水効果もアップ。

使用している3Dプリンターに慣れて公差を考えられれば、ギリギリの精度でハメコミも可能です。





素材が揃いました。
毎度のこと、アイも自作です。





フィラメントはやっっっっっすーーーいPLAフィラメントを使用しています。
PLAフィラメントはABS用接着剤で溶解接着させる事ができます。
比較的たっぷりめに塗って接着。

精度的に内部面を綺麗に出したかったため、表面はサポート剤など含めてガサガサ。
PLAは切削性が良くないので、ヤスリで表面を整えづらい。
結構がんばってヤスっても、なかなか綺麗になりません。




今回はココまで!
次回はコーティングと実際の使用感など…って釣り出来るような状況ではない感じなので、釣果は無理かもー。
早く普通に戻らないかなぁー  


ブリ釣果に引き続き、ついにシーバスのコノシロパターンも自作ルアーにて攻略成功。





去年コノシロパターンでの完敗を喫し、リベンジを誓うも先にまさかのブリを釣ってしまう驚きの展開。
シーバスコノシロパターンが発生しているものの、去年よりもまとまっていなくて渋い感じ。
果たして今はコノシロが入っているのか?そしてコノシロを食っているのか?という確認がしたくなり、さらにコノシロ泳がせだとヒット率が半端ないので誘惑に負けて頼ってしまう。
このランカー(81cm)もコノシロパターンのコノシロ泳がせ。
こんな尾っぽまで太いマッスルなランカー釣ったの久々。
友達がデカイの食べたいというので釣ることを最優先にしちゃった…。





これではいかん!と自作ルアーを設計見直し。
ちょっとだけ潜らせたかったんだけど、思いの外潜ってしまい、潜りを抑えるためにリップや浮力を調整。
それでもまだ想定より潜る。
浮力が高いので全力で潜らせてもカウント5くらいで水面まで浮いてくるけど、バランスが難しいなー。
これはこれでスローで引くには良いけど、デイゲームのちょい早く引きたいときには潜りすぎる感。





ナイトのスローなら使えるのではないか?とウェーディングで使ってみることに。
この時期はイワシが入ってきて数釣りが楽しめるんだけど、残念ながら台風後にイワシがほとんど抜けてしまい、今年はめちゃくちゃ渋い。
だから普段小さいルアーしか投げない私でも、完全コノシロパターンの1発狙いへシフトし、装備もウェーディングでは珍しいラテオQ96Mのランカー対策ガチ装備。





この日は人が多くて、入りたかったポイントへは入れず。
かなり遅い時間になってから人が減り始めたため、不人気コースへエントリー。
でもコノシロはかなり多いので、これなら居残り組が居てもおかしくない!とスローに引いていると待望のヒット!
ヒット直後から即分かる重たい引きで、ランカー近いのは確信。
寄せたところでのエラ洗いも豪快。





1年後しの課題であったコノシロパターンでのシーバスを自作ルアーでやっつけた!
ここ数年は自作ルアーで釣った魚への興奮度が下がってきていたけど、ここまで準備してそのパターン通りに仕留めることが出来たので久々に震えました。
ルアー制作への理解度が増して、自分のテリトリーの中ではよっぽどの無茶しない限り釣れるルアーが作れるようになったのもあって、こういう新しいジャンルは高難易度でエキサイティングだった…。

ここにたどり着くことが出来たのは、去年コノシロパターンをロンジン ウェイキーブーで攻略してくれた知り合いのT氏のおかげ。
個人的には爆釣より、考え抜いて針の穴を通して引きずり出すようなルアーフィッシングというのが好き。
今回はそこがやっとの思いで攻略出来たので、ほんとに嬉しい。





70cmくらいのナイスなシーバス。
この他にももう1バイト出せたんだけど即バレ。
最初から良いポイントに入れていれば、もう3~4本くらいは出せた感じも。
とりあえずパターンを攻略出来たので、あとは幅を広げていきたい。




今年は台風でイワシが散ってしまって、秋っぽい数釣りがなかなか出来ない感じだけど、個人的にはコレでほぼ満足出来る秋となりました。  


うぉぉぉぉぉ!(錯乱)
まずはこいつを見てくれ!

というわけで、東京湾奥のオカッパリで95cmのブリを自作ルアーでキャッチすることに成功しました。
こんな奇跡、もう二度とない…。

事の顛末を文章と画像でまとめてみます。





私のルアーシーバスは「小は大を兼ねる」という考えの元、小さいルアーメインでやっており(実際ホームにしている場所はベイトサイズが小さい)、80~85mm前後のルアーを好んで自作&使用していました。
しかし去年晩秋、東京湾奥オカッパリでは大変珍しいランカークラスがコノシロパターンでドカドカボイルしている光景を発見。
こりゃランカー大爆釣でしょ!という期待とは裏腹、いくらルアーを投げても反応せず、ボイルはドカドカ出ているのに全く釣れない…。
このコノシロパターン大フィーバーは1ヶ月ほど続き、アレやコレやと手を変え品を変え…と挑んだものの、やっぱりルアーでの釣果はなかなか上がらない。
でもコノシロを引っ掛けてからの泳がせだと高確率でランカーハンティング。





そんな中、知り合いがロンジンのウェイキーブーで圧倒的な釣果を上げる。
私が色々投げたルアーではかろうじてボイルの中に投げ込んで釣れることがある、たまたまシーバスの目の前を通ったときに釣れることがある。程度だったのに、知り合いのウェイキーブーは確実にシーバスに見せて食いつかせていて「釣れたではなく釣った」を体現。

「コノシロパターンの前では私が普段使っているルアーは無力」というのを見せつけられ、リベンジを誓い、いつ来るかもわからない。もう来ない可能性だってあるコノシロパターン向けのビッグベイトを作ることに。





そもそも100mmのルアーですら普段はほとんど使わないのに、それを大きく上回る150mmクラス、おまけにコノシロをイミテーションしたいからボリューム満点なルアー。
自作どころか、投げたことすらない。
でも基本的な泳ぎや狙いたいレンジをアレコレ考え、何パターンも作ってみることに。





ここで私特有の制約として、私が使う重ためルアー用ロッドはラテオQ96Mのためキャパシティが50gまで。
普通のシーバスルアーなら全く問題はないが、コノシロパターン用ルアーとなると足りない感。
150mmクラスでボリュームあるルアーを作ると、浮力と狙いたいレンジの関係で60gくらいになりやすい。
普通のシーバス用ルアーなら細いため、こんなに重たくなることはないんだけど…。

ショアジギロッドを買えば良いじゃない!って考えは全くない。
私は非力なため、ショアジギロッドを振り続け、アクションかけ続けるのが無理!
なので軽いシーバスロッドが絶対条件。
同じラテオQだと100MHというのもあるんだけど、使ってみた限り、あれをラテオQ96Mと同じ感覚で使い続けるのは無理。
硬すぎ、重すぎ…。

そんなわけで50gまでのルアーでコノシロパターン用ビッグベイトを作り続けました。





で、やってきた2019年秋。
春先から東京湾奥にイワシが大量に入り続けており、これは3~4年周期の青物フィーバーが崩れて今年来ちゃうんじゃないか?と思っていたら、やっぱり青物フィーバー開幕。大賑わいの海。
すごく嬉しいんだけど、私の狙いはコノシロパターンでのランカーハンティング。





イワシに大量接岸されるとコノシロパターンにはなりづらいので、あえてイワシの回遊が少ないところを狙う。
もちろんベイトがいないんだからホゲる可能性も高い。
それでもコノシロがいるかどうかを自作ブレードやメタルジグで確認し、コノシロパターンかどうかの見極めで引っ掛けからの泳がせをやってみる。
時期的にはまだ水温高く早いはずだが、いい感じのサイズがヒットする。
これは今年も来たぞ!





しかし時期的なものか、去年ほど大量のコノシロではなく、単発でコノシロが吹っ飛ばされるボイルが出る程度。
これでは難しい!
そんな釣行を繰り返して行く中で、ときより「あれ、シーバスか?」というボイルが出ることを何度か目撃。
今年はでけーサワラも入っているしサワラなのかなぁ?と、コノシロパターンを狙い続けると…。





目の前で変なボイル出た!からの…。





感じたことがない引き&重さ!
ヒット直後の重さ&走りが大ボス未満、中ボス以上のエイ?って感じで「やっちまったかー」と一瞬よぎるものの「いや、これエイじゃないぞ」と。
走りがツバクロより鋭く、エイのスレならこんなヘッドシェイクの感覚はない。
シーバスのヘッドシェイクがドアノックのコンコンくらいなら、こいつはゲンコツでドンドン!くらいの首振り。
動きからスレでもないし、シーバスでもないし、全く浮かないし走るしで…ナンダコレ!?





ラテオQ96Mでは結構厳しい相手であることはすぐにわかったけど、大ボスアカエイに張り付かれるよりはマシな程度だし、戦えないわけじゃない。
問題はゴロタ際のブレイクラインでラインを切られる可能性、この自作ルアーはラインアイの設計をちょいミスってこの相手だと破壊される可能性、姿見る前にバレる可能性。
なんとしても姿が見たい!と浮いた瞬間、うぉぉぉぉ!イナダじゃねぇ!ブリだ!いや、ワラサか!?
そして寄ってきた姿を見て確信。
ワラサ飛び越えて、こりゃブリだ…えらいものを釣ってしまった!





寄せた後さらなる問題発覚。
90cmクラスのランカーシーバスは入れたことある私のタモじゃ全然入らねぇ(;´Д`)
ウェーディングなら下からすくってタモ振って「くの字」に曲げれば入るんだけど、ブリはシーバスと違って曲がらないぞ。
リリースメインでゴムネットにしてるけど、ブリ相手じゃ最低でももうひと回り大きいゴムネット&Lフレームじゃないと入る気がしない。
さすがに完全な想定外。





ネットは諦めてフィッシュグリップランディングへ切り替え。
しかしココでも頭をよぎる「このフィッシュグリップ、バネ弱いから交換した方が良いんですよねー」という誰かの言葉。
ウェーディング用フローティングベストではボガを使っているから安心感MAXなんだけど、ア○アのXバ○ドの中華OEMはあくまでシーバス用。
でもやるしかねぇ!と掴んだのも束の間、テトラに上げた瞬間落ちるΣ(゚Д゚)
普段魚を触らないようにしてる私(匂いつくの嫌いなので)でも、速攻で抱きかかえるように手で抑えましたよ。





計測の結果、95cmの立派なブリ!
重さはボガじゃないので測れなかったのが残念だけど、7~9kgくらいはありそうでした。





食ってたベイトは30cmオーバーのボラ、20cmオーバーのコノシロ。
イワシは1匹も入っていなかったので、ランカーハンティング用に作った自作のデカイルアーがまさかの形で報われました。
感無量です。
シーバスですらコノシロパターン時はちっこいルアー反応してくれないので、このブリが入ってきてくれたのは完全な運だけど、ここまでの準備とコノシロパターンを狙い続けた自分の考えがブリという怪物で達成されたことは何よりの成果。





なお、このコノシロパターン用に作った自作ルアーですが、ターゲットはあくまでランカーシーバスのため、大型青物なんて完全な想定外でありまして。
フックは新品状態から1発で全て曲げられました。





ボディはコーティングが甘かったのもありますが、ブリの歯型がくっきりと。
コーティングを突き抜け、桐材のボディにまで及んでいます。





極めつけはリアフックアイがモゲる寸前まで破壊されました。
懸念していたラインアイは無事でしたが、まさリアフックアイがボディごと破壊されるとは…。
シーバスと大型青物の間には分厚い壁があることをこんな形でも実感させられましたよ。




普段はタックルデータなど紹介しませんが、今回はスペシャルな釣果だったので載せておきます。

ロッド:ダイワ ラテオQ 96M
リール:ダイワ 13セルテート 3012H
ライン:バークレイ POWER EXTRA 1号
リーダー:フロロカーボン 16LB
スナップ:がまかつ 音速パワースナップM
ルアー:自作ルアー 151mm / 31.5g フローティングミノー
フック:中華2号 x3

このラテオQ96Mは購入直後に折れてクレーム通らず自腹修理したいわくつき。
修理後は折れたときより遥かにヤバい使い方を続けてるけど、このブリ含めて折れていないので、購入直後のやつはハズレ引いちゃったんだなー。
ダイワさんよー、あの自腹はやっぱ納得いかんよーヽ(`Д´#)ノ

ちなみにブリカマめっちゃ美味かったです!(゚∀゚)
ブリってデカけりゃデカイほど脂乗るって話でしたが、正直イナダはどんだけ焼いても脂出ずパサパサ感…ところがブリは脂ドバドバ。
私はパサパサのお魚もそれはそれで結構好きなんですが、脂が乗った魚というのはシンプルに食べるとひと味違いますね。

近年の東京湾奥は10年以上前までだと考えられなかったターゲットが釣れたりするので、ロマンを求めてモンスターハンティングを狙ってみるのも楽しいですよー。
今回のように下準備を重ねての釣果なら更に倍!

  

以前
アルミを削って金型にした自作スピンテールを作ったんですが、本体だけで20.35gほどあり、フックや自作ブレードまで込みだと22.5gほどとかなり重たい。
飛距離は申し分ないし、低抵抗のブレードのためシャローも引ける。
が!
さすがに重たいため、ウェーディングのシャロー帯で使うにはロッド立ててゴリ巻き必須みたいな釣りになってしまい、これが結構キツイ。
ランガンしながら刻んだり近距離で狙い撃ちするならよく使う5~7gのスピンテールで問題ないものの、この中間をあまり持っていなかった。
特に12g前後。
というわけで、軽量版を作ってみることに。





毎度のFusion360でモデリング。
設定の物理マテリアルで鉛に設定し、プロパティを見るとシミュレーションした数値が出てくるので、これを参考に形状や大きさを調整。
Fusion360上では12gくらいでモデリングしますが、経験上CNCでの削り残し、アイの重さ、実際に鋳造する鉛の質などを考えると1gくらいは減ります。
なので11gくらいかなー。





CNC3020でアルミブロックから金型を削り出します。





アイの治具を作ってペンチで曲げてアイを作り、金型にセットして鉛を鋳造。
実はここでミスが発覚。
なかなか鋳造がうまく行かず「おっかしいなぁー」と思ったら、空気の抜け穴を作っていなかった。
金型の片面にボールエンドミルでちょろっと溝を作って、鋳造温度をちょい上げて無事サクサク行くように。
本体のみで11.25g±0.05gほどなので、狙い通りといった感じ。





ついでに自作ブレードもちょろっと量産。
この自作ブレード、強度的には結構ピーキーで売れるレベルには達していないけど、引き抵抗が小さいためシャロー帯で使いやすく、比較的ベイトが小さめの場所で超有効。
ブレードは形状、大きさ、素材、重さなどで色々変わって奥が深いです。





完成。
フックを#6太軸で重ためのだと14gなので、まーまー狙い通りかなー。
#8細軸なら13gくらいだと思われるので、場合によってはこちらの方が良いかも。
あとは実際に使って釣るだけ!




ぷちお買い得情報
どれも半額くらい。
売れちゃったら値上がると思います。  

例年夏場はシーバスが釣れないので物作りメインなんですが、どれもこれも中途半端でなかなか完成に至らず。
ブログ放置というのもアレなので、途中経過も含めてまとめで。





サイクロン集塵機を作り直しました。
といっても、今回はメインのサイクロン部分は中華の市販品を購入。

今までのは99%以上サイクロンタンクに集塵出来ていたので、サイクロンとしてはまずまずの性能。
アクリルやアルミ、普通のゴミなどは問題なかったものの、木材の切り粉などごく少量の微粒子は残念ながらサイクロンで取りきれずに掃除機の方のフィルタに行ってしまい、適時フィルタ掃除しないと吸引力低下となっていました。
どうやらサイクロン部分は極力細くして遠心力を高める必要があるんだとか。
2代目は結構細くてよかったんだけど、今まで使っていた3代目は太くしたのが悪かったかぁー。

というわけで、今回は中華市販品を購入してみました。
アルミ鋳造で2000円くらいなら安いかなぁと。






タンクの方は防音ボックスに入るサイズでちょうど良いのが見つけられず、ダイソー1.2mm厚PP板とMDF、補強として5mmプラ丸棒で自作。
あとはグルーガンで密封したり、ホース繋ぎ目のサイズが合わなかったので塩ビパイプを削ったりなんかして完成。

まだあまり使っていないものの、結構分離してるっぽい。
サイクロン部分がアルミ鋳造になったので、今までのプラスチックサイクロン部分に比べて静電気を抑えられ、汚れづらくなったという利点もあるかなー。

サイクロンを何台か自作してみると、ダイソンの設計はすごい。
あれに匹敵するレベルを個人で作ろうとすると、構造的に3Dプリンターないと厳しい。





クラウドルアーズのふなさんから、アクティブエイガードUltimateのテスト機2台目を託されまして。
出力がバカ高なので、劣化しない端子探しが難航している感じ。
今回はチタン端子を頂いたのですが、アルマイト加工みたいなことが海中で行われるわけなので、どうしても端子が電食で削られていく(と思われます)。
頂いたチタン端子が極小だったというのも含め1発KOでした…。

というわけで、私側でアレコレやってこそのテスターであろう。と、端子を自作してみます。
アルミ丸棒の片方に穴をちょろっと掘り、片方にはM3ネジを切ります。





穴にはアクティブエイガードの端子を入れてカシメ、M3ネジを切った部分にはM3袋ナットをはめます。
シールテープ、熱収縮チューブ、シリコンチューブ、グリスなんかで防水処理を施して完成。
袋ナット部分が端子となるため、電食で劣化したら袋ナットを交換すればOKというシステム。
私は電食の専門知識があるわけではないので、船のスクリュー劣化を防ぐために異素材を近くに配置するみたいなのは導き出せない。
電食による劣化は確実に起きるので、いかにして簡単に交換出来るかのアプローチ。
これでもまだ微妙だと思われるので、改良して良い物が出来ればいいなぁー。





CNCやフライスで切削する際、切り粉と呼ばれる削り取った素材が刃(エンドミル)に巻き付くことがあります。
熱以外でもこれが切削性能を大きく下げるため、エアーで飛ばしたり、クーラント液なんかをドバドバ掛けながら切削したりします。
クーラントは作ってみたものの、クーラント専用みたいな使い方をしないと取り扱いがかなり面倒。
どうせ卓上CNCだときつい切削など出来ないので、ある程度のエアーでなんとか出来るのではないか?と。

そこで水槽などに使うエアーポンプを中古で買ってみました。
かなり劣化が進んでいたのでバラしてメンテしたらだいぶご機嫌な状態に。







エンドミルの先端にエアーを当てられるよう、こんな形状のアタッチメントをモデリング。
M3イモネジをφ1.5mmの中空にして空気を送り出し、エンドミルに吹き付けるようにするシステムです。
それぞれ微妙に別角度を付けてあります。





アレコレやって削り出して完成。
別角度のイモネジをつけるのが大変でしたが、なんとか。





装着するとこんな感じで、さらにこの外周に短冊状のをガードを装着。
実際に使ってみると性能比としては
 集塵機のみ:1
 クーラント液:10
 エアーポンプ+集塵機:3~5
って感じ。
私の場合、木材切削では必要性を感じない(集塵機のみで良い)けど、アクリル切削では差がかなり出る。
集塵機のみだと溶けそうな切削がキレイに行くが、クーラントには全く及ばない感じ。
かなりお手軽に使えるので今後は積極的に使うことになると思うんですが、結構大きな問題が1つあり、2重で短冊ガードを装着しても僅かな隙間から切り粉が弾き飛ばされる。
集塵機で吸っててもそれだけパワーがあるってことなんですが、切削後の掃除は必須に(;´∀`)





去年の晩秋、大変珍しいコノシロパターンが続きまして、私の手持ちルアーではなかなか食わすことが出来ず完敗というレベル。
ルアーシーバスは小は大を兼ねると思っていましたが、コノシロパターンでは小さいルアーなんて見向きもしてくれないというのを体感しました…。
珍しいコノシロパターンが続くとは思えませんが、備えあれば憂いなしとも言うし!ということで、私の中で大きいルアーブーム到来。
今まで作った事ないどころか、投げた事ないレベルのでかいルアーを作ってみるべく、まずはモデリング。
でかいルアーというのは設計の幅がめちゃくちゃ広く、ほんとに泳ぐのか?という不安が拭えません。
ある程度シミュレーション出来るとは言え、重さに関しても未知の領域が大きい。
私が使うロッドで投げられなければダメなので、ルアー自体の設計幅が広いのに、狙う領域の幅が結構ピーキー。





とりあえず削り出し。
半身で横幅15mmくらいあるんですが、そんな太い桐材を持っていなかったため、今まで使っている6mm厚を3枚接着して削り出しています。





あまりに太いため独自重心移動システムが片面1本、合計でツイン重心移動システムに(;´∀`)
全長も152mmあり、ほんとにシーバス用ルアーなの?ってボリュームです。
コストもかなりなもんで、これ1本作るのに普段作るルアー3本分以上かな…。





あまりにも大きいため、普段使っているセルロースセメントの瓶に入らない。
コーティングが筆塗りとなり、めんどくさいにもほどがある!と、アルミ貼りでコーティングを程々に…。

2号フック3本、重心移動も作った中で一番重たいものを2本+補佐オモリ7gほど突っ込み、合計46gくらいあるもののお風呂テストですら浮力抜群で全く沈まないどころか、超フローティングで沈めても水面から飛び出すレベルで浮かび上がる。
ロッド(ラテオQ96M)ではmax50gまでとなっているので、これ以上重たくする事は難しいし、デカすぎたって事か!
泳ぎは想像していたのと違うが、コレはコレでコノシロパターンだと釣れるのでは?という期待が持てる。
でもあらゆる意味で想定外なので、ビッグベイトの道は険しいなー。